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08年10大ニュース!(6〜8位)


ニュース その他分野 作成日:2008年12月26日_記事番号:T00012541

月間5大ニュース

08年10大ニュース!(6〜8位)

 
【6位】汚染粉ミルク騒動、飲食・小売業に打撃
 
 少なくとも乳児6人が死亡した中国製の有害物質メラミン含有乳製品が9月中旬、台湾の食品市場に原材料として流入していることが発覚した。「ミスターブラウン」(金車集団)の粉末コーヒー、ピザハット(必勝客)の粉チーズなど、大手ブランドの製品からもメラミンが検出され、製品の回収や店頭からの撤去が相次いだ。

 消費者の食品に対する不安が広がり、9月の飲食業界は前月比14%、小売業界は4.3%減収となった。政府は事態を受けて、メラミン含有製品の輸入禁止、安全未確認の中国製乳製品を使用した商品の全面販売禁止などを相次いで実施した。消費者はメラミン未検出が発表された域内メーカー品を競って買い求めた。

 一連の事態をめぐって、中国製食品への不信感が改めて高まり、対中開放を急ぐ馬英九総統の支持率下落の一因にもなった。中国側は対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会(海協会)の陳雲林会長が10月末にようやく謝罪の意を表明した。

【7位】台湾発ネットブック、全世界で大ブーム
 
 ディスプレイが10インチ前後と小型で、機能を絞り込むことにより低価格に抑えたノートパソコン(ノートPC)、「ネットブック」が今年、世界中で大ブレイクした。ブームの火付け役となったのは、華碩電脳(ASUS)が昨年10月に投入した「Eee PC」。発売後売り切れが相次ぐなど人気が爆発し、上半期は圧倒的なリードを見せたが、今年中盤から域内外の各メーカーがこぞって追随。第3四半期には、宏碁(エイサー)が出荷シェア38.3%と8ポイント差で首位を奪った。今年通年の世界市場規模は1,400万台、来年は2,700万台という予測が市場調査会社によって示されている。
 
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Eee PCは「日経トレンディー」の「08年ヒット商品ベスト30」で2位を獲得するなど日本でも大人気。ASUSは日本ノートPC市場でシェア5位に躍進した
(写真はEee PC 900)

 昨今の消費不振に苦しむ電子業界で、景気低迷が逆に追い風となり唯一成長が見込まれているネットブックは現在、受託生産を含めた世界シェアの約99%を台湾が占める。粗利益率が低いという弱みはあるものの、2台目PCという新しい市場を産み出し、成功に導いた意義は大きい。

【8位】遠東航空が破たん、再建は困難極める
 
 遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)が5月、経営破たんで運航を停止した。同社の創業は1957年で、約50年の航空事業の歴史に幕が下ろされた。
 
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直航がもう少し早く実現していれば、同社の運命は異なっていたかもしれない(中央社)
 
 同社は株式資産の処分など資金調達に奔走し、50億台湾元の増資案を決定するも引き受け先が見つからず、更生への道のりは困難を極めた。燃料費の捻出さえ困難となり、6月には交通部民用航空局(民航局)が法律に基づいて同社を営業停止処分にした。

 同社の再建申請は12月19日、「楽観的過ぎる」として台北地方法院によって2度目の申請が却下され、10日以内に抗告しなければ、総額約110億元に上る債権を持つ銀行団により、強制処分が執行されることになる。

 同社は破たんの過程で、経営陣による背任や横領などの不祥事も明るみになった。会社に対し23億元の損害を与えたとして、起訴された旧経営陣9人のうち、2000~07年に董事長を務めた崔湧被告には懲役18年が求刑されている。
 

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