ニュース 社会 作成日:2024年4月22日_記事番号:T00114884
ワイズニュースこぼれ話5月20日の総統就任が近づく中、頼清徳・副総統(民進党)は4月10日、次期行政院長に卓栄泰・元民進党主席を任命し、「AI内閣」の基本方針を掲げました。AIは「アクティブ&イノベーション」のことで、行動力とイノベーションで、民意に耳を傾け、問題を解決し、国家に尽くす内閣と説明しました。
卓・次期内閣は、女性閣僚が少ないと指摘されている(16日=中央社)
卓・行政院長は、12日から5回に分けて、閣僚人事を発表しています。
ねじれ国会、側近を行政院長に
頼・次期総統は、卓氏は頼氏の行政院長時代に行政院秘書長(内閣官房長官に相当)を務め、民進党主席を務めた経験もあり、価値と理想を共有する戦友で、互いに信頼していると説明しました。 総統は、国家元首で、対外に中華民国を代表します。陸海空軍を統率するほか、条約の締結、宣戦、講和の権限を持つ、外交と軍事の最高責任者です。
総統は、国家の方針を決定しますが、行政院長(首相に相当)を任命し、政策立案を任せます。現在の立法院(国会に相当)は民進党が少数与党で、いわゆる「ねじれ国会」です。政策を実現するため、行政院長は重要な役割となります。
中華民国憲法には、総統欠位のときは副総統が、総統、副総統が共に欠位したときは、行政院長がその職権を代行するとも記されています。
抑止力と電力問題
頼氏は、総統選挙で、▽抑止力、▽経済の安全が国家の安全、▽世界の民主国家とのパートナー関係、▽安定かつ原則のある両岸(中台)関係──の「和平四大支柱」と、▽半導体、▽人工知能(AI)、▽軍需、▽セキュリティー、▽通信──の「五大信頼産業」を挙げ、「経済のイノベーション、スマート国家」の公約を掲げていました。蔡英文・政権と同じく、台湾海峡の平和と安定を維持するため、政治・経済の両面での存在感(プレゼンス)向上、産業や生活を支える電力の安定供給は必須課題です。
エネルギー政策は公約で、2025年の脱原発政策を1年遅らせると説明していました。停電など電力トラブルが相次ぐ中、原子力発電所(原発)の運転期間を延長するとの見方も根強く、次期政権の動向が注目されます。
青木樹理
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