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第37回 果たして高いの?台湾の電力料金大幅値上げ/台湾


ニュース 社会 作成日:2024年3月25日_記事番号:T00114405

ワイズニュースこぼれ話

第37回 果たして高いの?台湾の電力料金大幅値上げ/台湾

 経済部は22日、4~9月の電力料金を1キロワット時(kWh)平均3.4518台湾元(約16円)に、平均11%引き上げることを発表しました。2022年2月のウクライ危機以降の燃料価格上昇でも、公営電力会社、台湾電力(台電、TPC)が物価安定のため、電力料金を抑制してきたため、23年末時点で累計損失が3826億元まで膨らんだと、理解を求めました。

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 電力料金は毎年4月と10月に見直しています。今回は、1カ月の使用電力量が330kWh以下の家庭の電力料金も16年ぶりに引き上げ、電力使用量が極めて大きい事業者は最高25%引き上げるなど、メリハリを付けた全面的な引き上げです。

日韓より低水準

 家庭用の電力料金は1kWh当たり2.77元(約13円)に、平均4.5%の引き上げにとどめました。1カ月の使用電力量が330kWh以下なら3%の引き上げ、330kWh超700kWh以下なら5%の引き上げで、家庭の9割が当てはまります。

 経済部は、試算によると、電力料金はわずか月20元増加の見込みで、韓国の1kWh3.99元、フランスの7.4元、英国の12.95元、ドイツの13.2元より低いと説明しました。日本の経済産業省資源エネルギー庁のサイトでは、1kWh21~36円程度と試算結果があり、台湾は低いといえます。

 とはいえ、夏の暑さが厳しいのが台湾。夏季料金の適用期間(5月16日~10月15日)には家庭の12%以上が月700kWhを超える電力を使用し、電力料金が月2000元近くに跳ね上がるとの声もあります。

飲食店の値上げ予想も

 小規模店舗の電力料金は3~10%引き上げます。経済部が、例えば北部のベーカリーチェーン店で1カ月の電力使用量が700kWh以下なら、電力料金は1日当たり2元しか増加しないと説明したところ、批判が殺到。経済部は、店内にベーカリー機器がないパン販売店を想定していたが、店内で焼き上げるベーカリーなら1日365元増加する計算だと弁明に追われました。

 飲食店チェーン最大手、王品集団やコーヒーチェーン最大手、路易莎咖啡(ルイサコーヒー)は、目下、値上げの計画はないと表明しています。ただ、一部の業界関係者は、総統選挙後の電力料金値上げ発表に不満を表明しており、値上げが相次ぐ可能性も秘めています。

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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