第34回　携帯電話番号で送金、キャッシュレスお年玉で新年快楽／台湾

　春節（旧正月、2024年は2月10日）を目前に、「新年快楽！（新年おめでとうございます）」のあいさつが飛び交い始めました。尾牙（忘年会）など会食の機会が増え、酒量や出費が増えている人も多いのではないでしょうか。

/date/2024/02/05/20hongbao_2.jpg 紅包袋や玄関や門に貼る春聯の臨時販売店（YSN）

　紅包（お年玉、特別ボーナス）を渡すために、赤い封筒の紅包袋（祝儀袋、ポチ袋）や新札（ピン札）を用意するシーズンでもあります。コロナ禍を経て、最近は非接触型でエコな、携帯電話番号を利用した「デジタル紅包（キャッシュレスお年玉）」の利用が促進されています。

お年玉用新札、2月から交換受付／台湾

https://www.ys-consulting.com.tw/news/113415.html

「◯◯ペイ」なくても送金

　日本でも銀行口座が分からなくても携帯電話番号で送金できる「ことら送金」が始まり、「PayPay」などでの個人間の少額送金サービスもあります。

/date/2024/02/05/20phone_2.jpg 銀行のアプリの送金画面（YSN）

　台湾での携帯電話番号による送金サービスに参加している銀行は、台湾銀行や台北富邦商業銀行、台新国際商業銀行、中華郵政（郵便局）など30行以上。事前に、銀行のアプリやインターネットバンキング、現金自動預け払い機（ATM）などで、「携帯電話番号による振込設定」を行います。

　筆者が使用している台北富邦銀行のアプリでもいつの間にやら、振り込み先の選択肢に▽登録口座、▽未登録口座、▽携帯電話番号──の3つがありました。携帯電話番号の項目を選択した後、振込先の銀行を選び、相手の携帯電話番号と振込額を入力すると、無事に送金できました。確認画面では、口座名義人の名前が一部空欄で表示され、誤送金がないか分かるので安心です。わざわざ口座番号を尋ねずに送金でき、支払いの記録も残ります。

　中国語7文字または英数字16文字のメッセージを入れたり、Eメールで短文を通知することもできます。

　相手の口座も携帯電話番号での受け取り設定が必要です。

食事や共同購入の精算も

　友人同士の会食や共同購入（中国語・団購）など、現金の代わりに、LINE Pay（ラインペイ）や街口支付（JKOPAY）などで代金を精算することが増えてきました。お互いに使っているモバイル決済サービスが異なる場合、携帯電話番号による送金サービスも選択肢ですね。

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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