ニュース 社会 作成日:2024年3月11日_記事番号:T00114142
ワイズニュースこぼれ話発がん性の疑いがあり、台湾を含む世界各国で食品への使用が禁止されている工業用染料、スダンIII(中国語・蘇丹紅3号)が中国から輸入された粉末唐辛子(チリパウダー)などから検出され、有名メーカーの食品や有名レストランなどの飲食店で使用されていたことが2月下旬以降、次々と判明しています。
出荷先の一つ、餃子(ギョウザ)チェーン最大手、八方雲集の高雄市の鳳山南華店(5日=中央社)
出荷先は50社以上、使用製品は唐辛子、胡椒(コショウ)、カレー粉、キムチパウダーや、液体唐辛子、キムチなど幅広く、学校給食や病院、高齢者施設などは香辛料の使用を停止しました。
その後の調査で、ある男が友人名義で中国に1社、台湾に10社の会社を設立し、2018年以降、スダン入りの粉末唐辛子を出荷していたことも明らかになりました。数カ月にとどまらず、数年単位の問題と分かり、消費者の不安が広がっています。
スダン染料の発がん性
スダンレッド(スーダンレッド)は、赤色の着色に使用する工業用染料で、スダンI、スダンⅡ、スダンⅢ、スダンⅣなど多くの種類あります。しっかり染まり、発色がよいので、レインコートや玩具、アクリル板など、プラスチックや合成材料の着色に使われています。
国際がん研究機関(IARC)は、人に対する発がん性があるかどうかの「証拠の強さ」を示す4段階の分類で、グループ3(ヒトに対する発がん性について分類できない)に分類しています。専門家は、動物実験しか行えないためグループ3なので、実際はグループ2Aかグループ2B(おそらく発がん性がある/可能性がある)以上と考えられ、人体内に入るとリスクが上がると警告しています。
儲け目的で工業用原料使用
どうしてスダンIIIを食品に使用したのかといえば、長期間がたっても真っ赤でおいしそうに見える上、価格が安く、儲かるから。食品への不法な混入はこれまで、欧州や中国でも確認されています。
台湾では、2011年の飲料への可塑剤添加、13年のでんぷんへの工業原料添加など、食の安全を揺るがす問題が明るみに出るたびに、政府が監視や検査を強化しているはずですが、悪徳業者の不正が後を絶ちません。
「要不要辣?(辛くする?)」と飲食店でお決まりのように尋ねられるほど、辛い食事を好む人が多い台湾。台湾生産の唐辛子だけでは足りず、輸入が必須と指摘されており、食生活への影響が懸念されています。
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青木樹理
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