ニュース 社会 作成日:2024年9月9日_記事番号:T00117411
ワイズニュースこぼれ話台湾民衆党の支持者は、若者層や無党派層が多く、「小草」と呼ばれています。「小草」という言葉自体は、2014年のヒマワリ学生運動の後、民進党の蔡英文・前主席が若者の政治参加を促す「民主小草」青年参政計画を推進したのが始まりですが、今年1月の総統選挙に出馬した台湾民衆党主席(党首、休職中)の柯文哲氏が昨年12月、「われわれは小草だ。強風にさらされても、力強く成長しよう」と呼び掛け、小草は台湾民衆党の支持者を示す代名詞となりました。
政治的迫害を主張
民間企業への便宜供与、貪汚治罪条例(腐敗防止法)違反の疑いで、柯氏は8月31日未明に勾留された後、9月2日未明にいったん保釈されましたが、地裁の再審理の結果、再度勾留され、5日夜に台北看守所(拘置所、新北市土城区)に身柄を移送されました。
手錠をかけられ、身柄を移送される柯氏(5日=中央社)
移送の際、台北看守所の周りには、支持者が集まり、柯氏に声援を送りました。6日夜にも台北看守所の周りに支持者が100人以上集まり、「静かな革命」と題して座り込みを行いました。
台北看守所前で座り込む支持者(6日=中央社)
台湾民衆党は、柯氏は潔白で、政治的迫害だと主張し、「きょうの柯文哲に、あす誰もがなり得る」と訴えています。柯氏不在による小草の流出を防ぐため、8日夜、立法院前で集会を開催し、支持者2万人が集まる中、柯氏の2通目のビデオメッセージを公開しました。
中南部からバス20台が手配され、手弁当で集まった支持者も(6日=中央社)
民進党が取り込み
青(国民党)と緑(民進党)の間の第三勢力として、クリーンな政治を訴える柯氏ですが、台北市長時代(2014年12月~22年12月)の五大汚職疑惑に加え、政治献金の申告書偽造疑惑で今年8月に地検の捜索が始まり、支持率は低下傾向です。遠見雑誌の世論調査(8月26日~9月1日)では、柯氏の好感度は3.76点(10点満点)と、5月と比べ6.2%低下しました。
民進党青年部の阮俊達・主任は、柯氏の支持者は主に▽エンジニア、▽社会の底辺の若者、▽政治に無関心な若者──で、一部は柯氏に失望したと分析。こうした若者の支持を取り込むため、民進党は夏休み期間から各地で延べ50回の集会を開催していると説明しました。
2028年の総統選挙に向けた戦いは既に始まっています。
青木樹理
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