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第54回 春節目前に開催続々、台湾企業の豪華尾牙/台湾


ニュース 社会 作成日:2025年1月13日_記事番号:T00119557

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第54回 春節目前に開催続々、台湾企業の豪華尾牙/台湾

 春節(旧正月、2025年は1月29日)を目前に、企業の尾牙・旺年会(忘年会)の開催が相次いでいます。弊社ワイズコンサルティンググループも先週末、新北市八里のホテルに宿泊し、恒例の1泊2日での尾牙と2025年方針発表会を行いました。同じホテルの宴会場では台湾企業も尾牙を開催していました。

■規模やトップ発言が景気指標

 台湾の大企業の尾牙といえば、ホテルの宴会場や展示会場を借り切って、アーティストを招いての大規模開催が特徴。尾牙は、董事長が発言する今年の見通しとともに、経済ニュースで取り上げられ、景気見通しの指標になります。

/date/2025/01/13/20inventec1_2.jpg今年50周年を迎えるインベンテック創業者の葉国一氏(右)と次男に当たる董事長の葉力誠氏(左)は、尾牙会場で感謝の意を示した(12日=中央社)

 人工知能(AI)需要に湧く電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)は、従業員が3万人近く、もはや台湾最大規模の展示会場、台北市の南港展覧館(TaiNEX)でも入り切らないと、1月24日に台北小巨蛋(台北アリーナ)で尾牙を開催します。50周年を迎える受託生産大手、英業達(インベンテック)も1月12日、初めて台北アリーナで尾牙を1万人以上で開催しました。

/date/2025/01/13/20inventec2_2.jpgインベンテックは、初めて台北アリーナに会場を移し、尾牙を開催した(12日=中央社)

 コロナ禍の尾牙はオンライン開催や部門別開催に切り替わりましたが、通常に戻った今、従業員が多い企業は数百テーブルが必要で、会場探しも大変です。南港展覧館のサイトには、尾牙専用ページがあり、開催の約半年前の5月には申し込みが必要です。

■抽選景品で企業イメージ向上

 台湾企業の尾牙といえば、従業員に豪華商品が当たる抽選会も特徴です。台湾の大企業は電子メーカーが多いので、1等は自社製品や自社の部品が使われた電子製品かと思いきや、いち早く昨年12月20日に尾牙を開催したパソコンブランド大手、華碩電脳(ASUS)の1等は高級SUV(スポーツ用多目的車)「BMW X3」、270万台湾元(約1300万円)相当。施崇棠・董事長が自ら運転して会場に登場し、話題となりました。

 豪華景品はニュースに取り上げられるほか、交流サイト(SNS)に投稿したり、春節の帰省で家族や親族、友人に自慢したりと、従業員へのねぎらい、還元のほか、企業イメージの向上の役目も果たします。筆者の台湾人の友人も、入社以来初めて当たり、バイクがもらえたと社名入りでSNSに投稿していました。

■欲しい商品は「株」

 では、欲しい尾牙の商品は何なのでしょうか。求人求職情報サイト大手、1111人力銀行が10日発表した調査によると、1位はやはり現金で89%。2位は、電子製品(41.3%)で、自動車やバイク(40.2%)を初めて上回りました。

 4位には、株券(34.2%)が、株高が続く中、初めてラインクインしました。5位以下は▽百貨店の商品券、32.3%、▽航空券、27.4%、▽家電製品、22.1%、▽ホテル宿泊券、19.5%──と換金しやすそうなものがずらり。尾牙シーズンには、オークションサイトで「尾牙の抽選」での検索が増えます。

青木樹理

青木樹理

ワイズメディア

日本、台湾での金融機関勤務を経て、ワイズニュース創刊年の2007年に入社。副編集長を経て20年より編集長。台湾経済・産業の動向を分かりやすくお伝えするため、台湾社会をウオッチしながら生活しています。

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