ニュース 法律 作成日:2009年1月20日_記事番号:T00012945
産業時事の法律講座
仕事をしている人は誰もが休みたいと考えますが、もし休んだ分の給料がもらえない無給休暇だったらどうでしょうか?
最近、台湾の多くの企業が業績悪化を理由に、労働時間と給料の削減を強制していますが、メディアの報道のせいもあり、「無給休暇」が合理化(正当化)されてしまいました。無給休暇は不景気時の合理処置の一つです。
労働者に休暇を強制し、無給休暇を実施することは非合法ですが、労働者が反対しなければ問題ありません。多くの労働者が、企業の方針に沿って無給休暇を受け入れざるを得ない状況なのです。
しかし、無給休暇の問題は労働者のみにとどまりません。
無給休暇は契約先にも影響
これまでも台湾では、コンピューターの2000年問題や03年の新型肺炎SARS問題など、大きな事件が相次ぎましたが、企業はそれでも利益を上げてきました。
99年には多くの企業が2000年問題で利益を得つつ契約上の義務から逃れ、03年にはSARSを理由に多くの事実上の契約違反が行われましたが、皆さんは覚えているでしょうか?これらの契約不履行事件の中で、本当にその問題と関係しているものはどれほどあったでしょう?しかし、契約者はこうした理由に対して反論できませんでした。
例えば03年当時、多くの公共事業の仲裁において、業者はSARSを理由に契約履行に対する遅延罰金額を引き下げることに成功しています。仲裁人は「明らかに合理的」な理由に対しては、因果関係や不可抗力の如何(いかん)を追及しません。
私が思うに、今後多くの当事者が「無給休暇」を「明らかに合理的」な理由とし、契約上の責任を逃れる根拠とするでしょう。これこそが無給休暇の本当の問題点なのです。
無給休暇という問題に対して、政府は今後やってくる景気の回復だけを利用して選挙を勝ち抜こうと考えているのでしょう、解決しようとはしません。
顧客や取り引き先が、無給休暇という誰もが否定できない「言い訳」を理由として利用しないよう注意が必要です。
徐宏昇弁護士事務所
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