第12回はフランス料理店「Le Bistro de L’olivier」をご紹介します。案内役は台湾精工国際の升川正彦董事長兼総経理です。
升川董事長兼総経理
Le Bistro de L’olivierは洗練されたレストランやバーが軒を連ねる台北市安和路の一角にある。クリーム色を基調にしたアンティーク風の店構えで、店内にはパリの風景などのモノクロ写真や絵画が壁を埋め尽くしている。ビストロと銘打つだけあり、肩肘張らない気軽で家庭的な雰囲気が漂う。早く着いたので、香港出身の女性オーナーシェフ、マギーさんに話をうかがった。南仏ニースで修行を積み、1999年に台北で開業したという。料理本を数冊出版し、テレビ番組にも出演するなど、料理界で存在感を高めている。
欧州の雰囲気を楽しめる
升川さんがやって来た。ディナーコースは▽グルメ・ディナー(2,680元、ワイン付きは3,680元)▽オリビエ・ディナー(1,780元、ワイン付きは2,680元)──の2種がメーンだ。さらに「とてもシンプルなコース」という780元の低価格コースもある。われわれはオリビアコースを選択した。升川さんは赤ワイン、筆者はドライ・マティーニで乾杯。
「どの料理も味付けが繊細」
まずはフランスパンをアンチョビとスモークチーズでいただく。続いて前菜の定番、フォアグラテリーヌが登場した。「フォアグラは手作りなのよ」とマギーさん。なめらかでとろけるような食感に舌鼓を打つ。トリュフなど5種類の高級キノコを甘辛く煮たフリカッセも日本人好みの味だ。
次に3センチ四方にスライスしたクルトンに自分でニンニクをすりこみ、チーズとレッドペッパーソースを載せていただく小皿が登場した。生のニンニクのピリッとした味とレッドペッパーソースが見事にマッチする。
続いてブイヤベース風味の魚のスープ。海鮮のうまみが凝縮されたスープにこした白身魚が溶け込む。升川さんもお気に入りのエスカルゴガーリックバター焼きがやって来た。ガーリックとバターの香ばしい香りが広がる。
メーンの牛ヒレ肉
メーンディッシュは牛ヒレ肉だ。升川さんがトリュフソースあえ、筆者がフォアグラと赤ワインソースがけだ。厚みのあるボリューム満点の肉がテーブルに置かれた。ミディアムレアーでほどよい柔らかさに仕上がった牛肉をソースと一緒にいただく。「この店はどの料理も味付けが非常に繊細ですね」と升川さん。
最後にデザート。タルト状のチョコレートの焼き菓子の中に、熱々のチョコレートが隠されている。フォークを入れると、中から濃厚なチョコレートが溶け出る仕掛けだ。隣にはバニラのアイスクリームが添えられ、口直しにもいい。
升川さんは日本人の知人からこの店を紹介された。初めて訪れたときに、「台北にもこれほどおいしいフランス料理店があるのか」とうなったという。欧米人の来店客も多く、料理の味を堪能しながら、ふと店内を見渡すと「ここは一体どこだろう」という錯覚に陥ることもあるそうだ。最近は日本からの出張者を連れて来店することも多いが、誰もが味の良さに驚くという。「この店なら東京に出ても十分通用すると思いますよ」と升川さんは太鼓判だ。
台北にいながらにして本物の欧州を体感できる繊細な味。一度味わってみてはいかがだろうか。
(取材/ワイズコンサルティング・七沢愛果)
Le Bistro de L’olivier
住所:台北市安和路二段122号
電話番号:02-8732-3726
営業時間:ランチ 午前11時半~午後2時半
ディナー 午後5時半~10時(ラストオーダー)
定休日は月曜日