【1位】WHO年次総会、38年ぶり参加(18日)
スイス・ジュネーブで5月18日から開催された世界保健機関(WHO)の年次総会、世界保健総会(WHA)に台湾がオブザーバーとして参加し、38年ぶりに国連活動への復帰を果たした。
19日の会議では台湾代表の葉金川行政院衛生署長にも発言の機会が与えられ、「『中華台北』は国際衛生に貢献したいという意思も能力もある」と語り、英語、中国語、台湾語で総会への招待に対する感謝を述べてスピーチを締めくくった。
ただ、国際社会への復帰を第一とし、中台間の主権問題を極力主張しない姿勢を見せる葉衛生署長に対し、現地で台湾人留学生が抗議に押し掛け、「台湾はいかなる立場でWHAに参加するのか」と詰め寄る場面もみられた。
【2位】新型インフル上陸、二次感染含み12例
パンデミック(世界的流行)が懸念される新型インフルエンザ(H1N1)が台湾にもついに上陸した。20日、香港から入境した台東在住のオーストラリア国籍の男性に初めて感染が確認されたのに続き、帰台した米国留学生を中心に台湾人の感染例が相次いだ。24日には台湾内で人から人へ感染したケースも見つかり警戒レベルが「3級(二次感染発生)」へ引き上げられた。しかし、その後7日間域内感染がなく31日には「2級(海外からの感染例確認)」へ戻された。31日時点で感染例は12人、休校措置は1校。
対策本部に当たる中央流行疫病指揮センターは、10月をめどにワクチン1,000万人分の確保に当たるほか、人口の13%に当たる治療薬を備蓄。交通機関や小売業などもマスク着用や検温など利用者や従業員の予防対策を進めている。
【3位】太平洋そごう、天母店オープン(22日)
太平洋そごう百貨の天母店(台北市士林区)が22日、オープンした。初日から5万人が訪れ、8,000万台湾元と予想の倍以上の売り上げを記録した。初年度は売上高45億元、損益均衡を目指す。
同店は若いファミリーや働く女性をターゲットに、不況下の巣ごもり需要もにらみ、台湾最大の1,500坪(全館8,925坪)の食品・生活用品売り場を設置した。都市交通システム(MRT)淡水線芝山駅から徒歩3分という立地条件の良さに加え、書店大手のジュンク堂など台湾初展開の9ブランド、天母エリア初の150ブランドで他社との差別化を図る。大葉高島屋、新光三越が既に進出している激戦区だが、勝算は十分ありと踏んでいるようだ。
【4位】馬政権1年、「再選で中国と平和協議も」(20日)
20日、馬英九政権が発足1年を迎えた。同日の記者会見で馬総統は、「2012年に再選を果たせれば、平和協議や軍事的信頼関係の構築などで大陸(中国)と協議を行う可能性がある」と改めて表明。その前提条件として、中国側が台湾向けに配備しているミサイルの撤去が必要という考えを示した。
各メディアの世論調査によると、馬総統に対する満足度は概ね50%以上となっており、特に中台関係の改善に対する評価が高い。
【5位】陳菊・高雄市長、中国を訪問(21日)
陳菊・高雄市長が、7月に同市で開かれるワールドゲームズ(五輪で採用されていない競技の国際大会)の宣伝を目的に21日から中国を訪問し、北京市長、上海市長と相次いで会談した。民進党の最高幹部クラスの訪中は今回が初めて。
陳市長は中国で「中央政府のわれわれの馬英九総統」と発言し、台湾が中国とは異なる「別の国」であることを暗に強調したと観測された。また、「北京政府は幅広く台湾社会の声に耳を傾け
る必要がある」と指摘した。
陳市長の中国での言動に対しては、国民党寄りの聯合報でも55%が肯定的な評価を下した。