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作成日:2009年9月2日_記事番号:T00017637
月間5大ニュース
09年8月の5大ニュース!
【1位】台風8号で死者600人、救援遅れに批判殺到
8日に東部に上陸した台風8号(アジア名・モーラコット)は中南部の山間部を中心に、多い所で2,500ミリを超える記録的な豪雨をもたらした。これにより高雄県甲仙郷小林村で土石流によって400人以上が犠牲になるなど、8月31日現在で死者602人、行方不明者81人を数える、台風としては過去2番目の大規模な被害が発生した。
各地で洪水や幹線道路崩落など深刻な被害が広がる中、政府による被災者の救援活動は着手が遅れた上、効率も悪く、「人災」によって被害が拡大したと批判が殺到した。この過程で外交部が外国からの支援は断るよう在外機関に指示していた不祥事も明らかになった。
不手際に対する批判を受けて、劉兆玄内閣は9月に初の内閣改造を行うこととなった。就任以来、中台関係の改善で実績を挙げ、一定の評価を得ていた馬英九総統は、被災者に対する問題発言もあって人気が急落した。
【2位】新型インフル、大流行期に突入
21~24日の4日間で新型インフルエンザ(H1N1型)感染による3人の死亡が相次ぎ、台風8号による被害を受けた屏東県で救援活動に当たる軍部隊でも集団感染が発生。この事態を受けて、行政院衛生署疾病管制局の郭旭?局長は「既に大流行期に入った」との認識を示した。
衛生署によると、現在1日に約2,100人のスピードで感染が拡大しているとみられるが、重症患者の過半数が15歳以下となっており、11月に完成予定のワクチンは、台風被災者、妊婦などに次いで若年層に優先的に接種される。
1日現在、新型インフル感染による死亡例は5人のまま。入院患者は累計で87人に達している。
【3位】中台直行便、定期便に昇格(31日)
昨年7月の就航から中台のビジネス、観光交流に多大な貢献を果たしてきた直航チャーター便が31日、定期便に昇格した。同時に便数は週270便(従来108便)、中国側の就航都市は27都市(同21都市)に拡大した。中でも上海便が週58便に増えるなど、利便性が大きく向上した。
一方で、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の来台に中国政府が強く反発したため、中台双方の就航イベントはほぼ取り消された。さらに、台風8号の余波や新型インフルエンザ流行などによって乗客減が一段と進む恐れから、航空各社が値下げキャンペーンに乗り出している。
【4位】ダライ・ラマ訪台、中台交流に影響も(30日)
ダライ・ラマ14世が30日、民進党の地方首長らの招きに応じ、南部の水害被災地で法要を行うため訪台した。これに対し中国側は、台湾政府への直接の非難は避けたものの、「いかなる形、いかなる立場であれダライ・ラマの台湾訪問に強く反対する」との声明を発表した。さらに、政府関係者や大手国有企業トップの訪台取り止めや、台北市政府主催の聴覚障害者オリンピック(デフリンピック)開会式への選手代表団の参加中止など反発の姿勢を強めており、今後、両岸経済協力枠組み協議(ECFA)など中台交流に一定の影響が出るという予想もある。
【5位】MRT内湖線迷走、2週連続で週末運休措置
7月に開通したばかりの台北市の都市交通システム(MRT)内湖線が、相次ぐ運行トラブルに、とうとう2週連続で週末に運休して点検作業に当たった。対象は同線中山国中~南港展覧館の13駅にとどまらず、接続する木柵線にもわたり、沿線の通勤通学に加え、百貨店などのセール、不動産物件取引にも打撃を与えた。
運休点検後も、異臭騒ぎや障害物検出装置の誤作動による運行停止などが発生。台北市政府主催の聴覚障害者オリンピック開催期間(9月5~15日)の運行も危ぶまれたが、郝龍斌台北市長は9月1日、同期間の正常運転を宣言した。