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09年10大ニュース!(1位)


ニュース その他分野 作成日:2009年12月25日_記事番号:T00020086

月間5大ニュース

09年10大ニュース!(1位)

 
【1位】台風8号で死者・不明者700人、馬政権の信頼揺らぐ
 
 8月8日に上陸した台風8号(アジア名・モーラコット)は、中南部の山地を中心に観測史上最大の豪雨をもたらし、死者673人、行方不明者26人と、確認された台風の死者数としては観測史上最悪の被害をもたらした。
 
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被災地を視察する馬総統。拙劣な対応を通じて、自然災害の多い台湾では住民の生命を守る心構えが指導者の要件であることが再認識された(中央社)
 
 死者は大規模な土石流に埋まって壊滅した高雄県甲仙郷小林村で440人と、全体の3分の2を占めた。死者の83%(562人)は高雄県内に集中した。

 農業被害は過去最悪規模の194億台湾元(約550億円)に達した。交通インフラにも大きな影響が出た。南部の最大河川、高屏渓で最下流の幹線道路に架かる双園大橋が崩落。台湾鉄路は屏東県の南迴線で土砂に埋まり、台東県の東部幹線で河川に架かる鉄橋が崩落して長期間にわたって不通となった。南迴線は年末にようやく復旧する予定だ。

 台風8号では、馬英九政権の対応の拙劣さに批判が集中した。政府は当初、被災者救助をはじめとした対策を各県市に任せ切りにして機能的な支援を行わず、災害発生直後の貴重な時間が空費された結果、被害が大幅に拡大した。馬総統は、大規模な水害に見舞われた屏東県や台東県から出された政府の支援不足に対する批判に対し、「被害を深刻に考えていなかったため今になって救援を求めているのではないか」と逆批判する始末だった。政府が批判の大合唱を受けて被害対策の国家安全会議を招集したのは、台風が台湾を離れて5日後の14日になってからだった。

 馬総統は被災地に入ってからも、「南部の住民は住む所を死守して避難しなかった」「被災地への支援が不十分と報じた朝刊を見て本当に驚いた」などと不適切な発言を連発し、資質と能力を疑問視する声が高まった。

劉兆玄内閣が総辞職 
 
 劉兆玄行政院長は9月7日、引責による内閣総辞職を発表。呉敦義氏(前国民党秘書長)による新内閣に交代した。

 馬政権はそれまで中台直航をはじめとした対中開放政策で実績を挙げ、施政への満足度は高かったが、台風8号を機に声望は大きく低下した。馬総統は年末の県市長選で、宜蘭県や花蓮県など国民党公認候補の劣勢が伝えられた県市で応援に力を入れたものの効果はなく、民進党政権後半に顕著だった馬英九ブームが既に過去のものになったことが印象付けられた。
 

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