ニュース その他分野 作成日:2010年12月15日_記事番号:T00027187
KPMG 分かる台湾会計日本企業が台湾に進出する際には、その進出目的等によって進出形態が決定されることとなりますが、一般的には、現地法人の設立または支店の開設を行うことが多いと思います。そこで、今回は、台湾における現地法人と支店の比較について解説させていただきます。なお、本稿の意見に関する部分は筆者の個人的見解であることをあらかじめお断りしておきます。
●FIA法人
台湾現地法人については、外国人投資条例に基づいて、経済部投資審議委員会(投審会)による許可を得て設立された場合、FIA(Foreign Investment Approval)法人として認められ、利益を外貨で本国へ送金できる、支払配当金の源泉徴収税率が20%に軽減されるなど、いくつかのメリットを享受することができます。(本稿の現地法人についての説明につきましては、FIA法人を前提としています。)
●定款
現地法人形態では、台湾における定款が必要となります。したがって、商号、事業年度、事業種目等は日本の親会社と別に定めることができます。
支店形態では、日本の本店の定款の制約を受けることとなります。しかしながら、事業年度は本店と別に定めることができます。
●業種および組織
現地法人形態では、業種に関しては、ネガティブ・リストによる制限がありますが、現地法人の定款や組織については、定款については日本の親会社と別に定めることができます。また、組織に関しては、例えば、取締役等の国籍や居住者の制限はなく、取締役・監査役を全員日本人とすることもできます。
支店形態では、業種に関して、現地法人と同様、ネガティブ・リストに準じて業種により制限または要件がある場合があります。また、組織に関して、訴訟非訴訟代理人および支店長それぞれ1人の登録が必要となります。
●税制
現地法人に係る税については、現地法人は台湾の税法上内国法人となることから、所得の源泉が外国にあっても法人税(17%)は課される(外国税額は一定の条件の下で控除できる)こととなります。また、未分配利益に対しては、10%の追加法人税が課されることとなります。
支店に係る税については、台湾領内に源泉のある所得についてのみ法人税(17%)が課されます。なお、台湾支店が関与しないとしても、本店から台湾の企業への役務提供がある場合は、当該役務提供による収入は支店の収益として計上しなければならないとされています。
現地法人形態・支店形態に係る主な相違点の概要は、以下の図のとおりです。
以上、台湾における現地法人と支店との比較について、本稿をご参考いただき、詳細については顧問会計事務所等にもご相談の上、ご検討いただけますと幸いです。
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