ニュース その他分野 作成日:2011年6月15日_記事番号:T00030632
KPMG 分かる台湾会計 2011年5月3日、財政部賦税署により、「営利事業者の関係者への支払利息の損金不算入に係る調査細則」(過少資本税制調査細則)の草案が公表されました。今回は、本草案の内容について案内させていただきます。
【今回のポイント】
本草案では、過少資本税制の対象となる関係者、負債および純資産額の範囲等が明らかにされています。また、関係者に対する負債が純資産額に占める比率の基準値について、日本と同様に3対1とされています。
草案の主な内容は次の通りです。
一.移転価格監査準則を参照し、関係者の認定基準を定める(草案第3条)
二.関係者に対する負債および純資産額の範囲(草案第4条)
1.関係者に対する負債:営利事業者が直接または間接に関係者から取得した元金および利息の支払あるいは、利息の支払と同様の性質を有する支出によって補償される資金を指す。ただし、資本的支出に計上すべき、または繰延費用に計上すべき利息に見合った負債を含まない。
2.資本に属する負債性の特別株については、関係者に対する負債に属さない。
3.純資産額の範囲:総機構(本社)が中華民国内にある営利事業者:営利事業者の貸借対照表上の純資産額を指す。しかし、純資産額が払込資本と、額面を上回る金額で株式を発行することにより生じたプレミアムに伴い資本準備金に計上した額の合計を下回る場合は、払込資本と当該資本準備金の合計額を指す。ただし、払込資本と当該資本準備金の合計額が払込資本の額を下回る場合は、当該払込資本の額を指す(下記例を参照)。
4.総機構(本社)が中華民国外にある営利事業者の中華民国内の支店:利息を支払う必要がない運営資金を指す。
三.関係者に対する負債が純資産額に占める比率の基準値は、3対1とする。(草案第5条)
1.関係者に対する負債が純資産額に占める比率=当年度の毎月の平均の関係者に対する負債合計額÷当年度の毎月の平均の純資産額合計額
毎月の平均の関係者に対する負債=(関係者に対する負債の月初現在の帳簿上残高+月末現在の帳簿上残高)÷2
毎月の平均の純資産額=(純資産額の月初現在の帳簿上残高+月末現在の帳簿上残高)÷2
2.損金算入ができない支払利息=当年度の関係者に対する支払利息合計額×(1−関係者に対する負債が純資産額に占める比率の基準値/関係者に対する負債が純資産額に占める比率)
3.当年度の関係者に対する支払利息とは、営利事業者が発生主義により当年度に原価、費用、または損失に計上した支払利息を指し、関係者に対する負債のために直接または間接に生じる当年度の実際に支払済および支払うべき利息、利率引き上げによる利息、違約による利息、その他利息の性質を有する費用等が含まれる。ただし、資本的支出として計上される利息、もしくは繰延費用に計上される利息は含まない。
四.税務機関の調査のため、営利事業者は、所定様式により関係者に対する負債が純資産額に占める比率および関連情報を開示し、関連する書類を事前に用意・保存しておく必要がある。なお、開示が不要となる要件についても定めがある。(草案第7条)
五.本草案は、2011年度の営利事業所得税確定申告案件から適用される。(草案第8条)
台湾における新たな過少資本税制の内容につきまして、本稿をご参考いただき、詳細につきましては顧問会計事務所にもご相談の上、皆さまの会社への影響をご勘案いただけますと幸いです。
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