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第33回 統一発票について


ニュース その他分野 作成日:2011年10月19日_記事番号:T00033202

KPMG 分かる台湾会計

第33回 統一発票について

 会社が台湾で事業を行うに当たっては、否が応でも統一発票を取り扱うこととなりますが、その意義や取り扱いなどについて簡単に説明したものはあまりないのではないかと思います。そこで今回は、統一発票の概要についてご説明したいと思います。

【今回のポイント】

 統一発票は、インボイス方式を採用する台湾のVAT(付加価値型営業税)システムを支えると同時に脱税防止という機能をも果たしています。

1)統一発票の意義について

 台湾においてはVAT(付加価値型営業税)について、インボイス方式を採用していますが、このインボイスに相当するものが税務署より購入する統一発票です。統一発票には三連式、二連式、レジスター用等があります。三連式は国内営利事業に対して発行され、二連式は国外営利事業または個人等の非営利事業に対して発行されます。

 それぞれの統一発票には連番が付されていますが、この連番を対象に2カ月ごとに政府による賞金くじの抽せんが行われていて、個人への売り上げの計上漏れを防止しています。また、会社等の営利事業への売り上げの計上漏れ防止のため、法人税(営利事業所得税)法上、物品・サービスの購入営利事業者側(買手側)において統一発票が損金算入のための必要証憑となっています。一方、売り手たる営利事業者側(売手側)においては、営利事業所得税の確定申告書上、統一発票発行額と売上計上額との調整を行う必要があります。

 以上の通り、統一発票はインボイス方式を採用する台湾のVATシステムを支えると同時に、脱税防止という機能をも果たしているといえます。

2)統一番号について

 統一番号とは、営利事業自身の識別番号を意味する8けたの番号です。この番号は、会社においては会社ライセンス交付時に、支店においては外国会社認許証交付時に与えられ、住所が変更しても変わることはありません。

 物品・サービスの買手側においては、統一発票が営利事業所得税法上損金算入の必要証憑となっていますので、買手側の統一番号を統一発票の発行者である売手側によって統一発票上に記入してもらう必要があります。

 なお、営利事業証上の税籍番号は税金の申告用の番号ですので、申告先が変われば当該番号も変更されます。

3)統一発票発行免除者について

 次の者は統一発票の発行が免除されています。

・小規模営利事業(1カ月の平均売上高が20万台湾元以下の営利事業)
・旅客運賃(タクシー、電車等)
・医療費
・公的教育費
・銀行業、保険費等

4)売上値引、返品等の処理について

 営業税申告前のものについては、発行済統一発票を回収し、手元の控えに添付した上で「作廃」(canceled)と記入するか、あるいは所定の返品・値引証明(税務署にて購入)を入手した上で申告することとなります。

 一方、既に営業税申告済のものであるか、あるいは統一発票が回収できないものについては、所定の返品・値引証明を入手して次回申告時に添付することとなります。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
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TEL : 886−2−8101−6666
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