ニュース その他分野 作成日:2011年12月28日_記事番号:T00034616
月間5大ニュース【2位】景気にブレーキ、無給休暇1万人に
2011年の景気は、上半期は好調を維持していたものの、米国の財政赤字問題、欧州各国の債務問題が表面化し、8月の世界同時株安を境に景況感が一変した。不景気の到来により、ハイテク業界を中心に金融危機の際に導入された無給休暇措置が復活。行政院労工委員会(労委会)によると、12月15日現在、無給休暇実施を届け出た企業は100社、従業員1万130人に上った。
株式市場は下げ相場だった。9千ポイント台だった年初からの下落幅は2割以上に達した(中央社)
ハイテク業界では、特に不振が際立つ液晶パネル、DRAM、発光ダイオード(LED)、太陽電池が4大「惨業」と呼ばれた。液晶パネル業界は、2強の友達光電(AUO)と奇美電子(チーメイ・イノルックス)の統合案が政府閣僚より示唆された。DRAM業界も、呉敦義行政院長が11月、日台間の経営統合による救済計画推進を明言した。
景況感は悪化したものの、今年の域内総生産(GDP)成長率は、4%台前半を維持する見通しだ。通年で過去最高の3,000億米ドル以上が予想される好調な輸出が最大の要因で、第3四半期に商業売上高が過去最高を記録するなど個人消費も好調だった。ただ、滑り出しは良かった大手百貨店の周年慶(創業祭)セールも勢いが失速するなど、最近は消費の減退傾向が鮮明となっている。
馬英九政権は現在、行政院と総統府に相次いで対策組織を立ち上げ、総統選を前に不況の影響を最小限に抑えるべく、中小企業支援や株価維持などさまざまな施策を打ち出している。
【3位】台プラ第6ナフサで火災相次ぐ、成功神話が崩壊
台塑集団(台湾プラスチックグループ)の第6ナフサ分解プラント(通称六軽、雲林県麦寮郷)で5月、7月と相次いで4回の火災・爆発事故が発生。同プラントでの火災は、昨年からの約1年間で実に7回を数えた。「台湾の松下幸之助」と呼ばれた創業者、故・王永慶氏が築いた台プラの「成功神話」を支える徹底したコスト削減が安全面の手落ちにつながったとみられ、同グループに対する信頼感が大きく揺らいだ。
炎を上げて燃える台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の第3製油工場(中央社)
度重なる火災に周辺住民の不満が高まる中、政府は今年4度目の火災発生後、同プラント内の全66工場を1年以内に順次停止して検査を行うよう要求。これを受けて台プラは既に検査を実施していた工場に加え、8月から第1オレフィン工場(OL1)など数工場を停止するとともに、延べ60万人を動員して検査を行うとする計画を提出した。
台湾石化産業全体の生産額の3分の1を占める第6ナフサで多くの工場が稼動を停止したため、石油製品の8月輸出額が大幅な落ち込みを見せたほか、エチレンの供給不足が起きて初めて中国からの輸入を余儀なくされるなど市場の混乱を招いた。
台プラは火災事故により第6ナフサ第5期拡張事業の環境影響評価通過が困難になり、2013年以降に計画を先送りを決めた。中国・浙江省寧波市でのプラント拡張計画も、第6ナフサの安全確保を理由に経済部が認可を遅らせているため、一部申請を取り下げ、改めて再提出する方針となるなど、グループ全体の事業計画に深刻な影響が出ている。
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