ニュース その他分野 作成日:2012年6月20日_記事番号:T00037778
KPMG 分かる台湾会計台湾域外との輸出取引においては、さまざまな理由により、台湾から輸出した製品に係る値引きの必要が生じたり、売買契約の変更などの対応が必要となるケースも少なくありません。
そこで今回は、輸出取引における売上値引の税務上の取り扱いについて取り上げたいと思います。
【今回のポイント】
・台湾域外への物品販売などにおいて、顧客に対して値引きを行った場合、税務上認められるためには、所定の証明書類等を準備する必要があります。
・値引きに係る取引が、税務上、売上値引に該当するか輸出損失に該当するかによって取り扱いが異なることから、事前に留意する必要があります。
輸出取引において、台湾外の売上先に対して値引きを行った場合、これが税務上も認められるためには、一定の証明書類を準備して、認定を受ける必要があります。
(参考1)売上値引の認定について(営利事業所得税監査準則(以下、監査準則)第20条)
売上値引について、海外に対する物品販売または役務提供により生じた値引きについては、海外の業者によって発行された値引きの理由、金額および方式(商品代金から控除するか、またはその他商品代金と相殺するか等)を明記した証明書類を提示できる場合、調査で事実の確認ができたものについてはこれを認定する。
ただし、当該値引が輸出損失に該当するとされる場合には、売上値引とは異なる各種書類を準備しなければなりません。
(参考2)輸出損失について(監査準則第94-1条)
1.輸出損失については、輸出業務を経営する営利事業者が、売買契約の解除または変更により、損失または収益減少が生じた場合、違約による賠償を支払った場合、または不可抗力による事故損失や運送途中に発生した損失があった場合、調査で事実の確認ができたものについてはこれを認定する。
一方、その損失を当該営利事業者が負担すべきでない場合、または保険による損害賠償を受けられる部分については、これを損失に計上することはできない。
2.輸出損失の認定のためには、売買契約書(購買条件および損失帰属の規定を記載する)、海外の輸入業者の損害賠償請求書類、海外の公証機構、検査機構またはその他財政部認可機構が発行した証明書類などを添付する必要があるほか、賠償方式により、所定の書類をそれぞれ提出しなければならない。
3.輸出損失の金額が1件で50万台湾元以下のものは、所定の海外の公証機構または検査機構が発行した証明書類の添付を免除することができる。
なお、会社では売上値引に該当すると判断していたものの、国税局から当該値引が輸出損失に該当すると指摘され、結果的に損金不算入とされるようなケースも発生しています。
海外の販売先に対する値引きなどに該当する取引がある場合には、本稿をご参考いただき、詳細につきましては顧問会計事務所にもお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。
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