ニュース その他分野 作成日:2012年8月15日_記事番号:T00038807
KPMG 分かる台湾会計2012年7月25日、証券取引所得課税の新制度に係る所得税法および所得基本税額条例の追加・改正条文が立法院を通過し、13年度から適用が開始されます。当該課税制度は、個人および営利事業者の両者に適用される制度となっています。今回は、その要点について取り上げたいと思います。
【今回のポイント】
・個人の株式取引所得について、従来の最低税額制度(AMT)による申告納付から総合所得税での申告納付による徴収に変更されることとなりました。また、13年度から14年度までの徴収規定と15年度以降の徴収規定が異なっており、台湾域内で居住している個人(居住者)および居住していない個人(非居住者)にかかわらず同時に適用されます。
・営利事業者に対しては、AMTでの徴収が維持されますが、控除額および税率の修正があり、株式を長期間にわたって保有する場合の優遇規定が追加制定されました。台湾域内で固定営業所または営業代理人を有する営利事業者に適用されます。
1.個人に対する課税
個人の株式取引所得に対する課税については、居住者および非居住者により下記の通り分けられます。
(1)居住者
居住者については、対象証券などの流通市場の別によりみなし課税および実際計算課税の2種類に分けられます。
みなし課税は、売却時点の株価指数に基づき、売却価額に対して0〜0.06%の源泉率で証券業者により源泉徴収される方法です。
実際計算課税は、収入から原価を控除した所得に対して15%の税率で計算した税額を申告納付する方法です。未上場・未店頭登録株式の課税は、実際計算課税方式による必要があります。また、実際計算課税方式を採用した場合には、長期間にわたって保有した場合の優遇や、同一年度内での証券取引損失と収益を相殺することができます。証券取引所得課税新制度の実施に合わせ、株式取引を行っている個人は、原価費用の実際計算のため、取引に関する帳簿証拠記録を準備しておく必要があります。
上場・店頭登録・エマージング株式に関する課税は、原則的にみなし課税および実際計算課税のいずれかを選択し適用することができますが、課税の規定は売却年度によって異なります。
(2)非居住者
非居住者については、実際計算課税方式が適用されます。
2.営利事業者に対する課税
営利事業者の証券および先物取引所得に対する課税は、AMTにより徴収され、税率を12%から15%とし、50万台湾元を控除額とします。また、個人が実際計算課税を採用した場合と同じく、対象証券を長期保有した場合には優遇措置を享受することができます。さらに営利事業者では、取引により損失が生じた場合、当年度および以後5年度以内の証券および先物取引所得から控除することができます(欠損控除)。
証券取引所得課税の新制度につきましては、本稿をご参考いただき、詳細につきましては顧問会計事務所にもお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。
本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。
KPMG安侯建業聯合会計師事務所 日本業務組
Mail:yoshikazumatsumoto1@kpmg.com.tw
TEL:886−2−8101−6666
松本 芳和(内線 12645)
大田 耕蔵(内線 13390)
佐久間 基(内線 12446)
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722