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第47回 営利事業者が代理店および顧客を国内外旅行へ招待することによる費用の税務上の取り扱いについて


ニュース その他分野 作成日:2012年12月19日_記事番号:T00041085

KPMG 分かる台湾会計

第47回 営利事業者が代理店および顧客を国内外旅行へ招待することによる費用の税務上の取り扱いについて

 2013年1月1日以降、営利事業者が代理店または顧客との間で、取引が一定の水準に達することを前提に旅行に招待するという約束をした場合、その費用の税務上の取り扱いが明確化されています。そこで今回は、この件について取り上げたいと思います。

【今回のポイント】
2013年1月1日以降、営利事業者が代理店または顧客との間で一定の水準に達することを前提に旅行へ招待するという約束をした場合、その費用について「その他の費用」で処理することとされました。

 80年4月19日付台財税第33171号通達では、営利事業者が代理店または業務関係がある顧客を国外旅行に招待することにより支払った費用については、所得税法第37条の規定に基づき、交際費として限度額まで損金として認定されると規定されています。

 しかし、一般的な商業上の慣習では、交際費とは営利事業が営利活動を行う過程の中で収益を生じる環境を作り、または改善し、良好な関係を築くために支払う費用であり、かつ「将来の取引」の増加を図るための「自由意思による支払い」の性質を有するもので、通常将来の営業収益の獲得との間で「絶対的な因果関係」を有する訳ではありません。

 上記の理由から12年10月31日付台財税字第10100105170号通達において、13年1月1日以降、営利事業者が代理店または顧客との間で、一定の購入数量または金額に達することを前提として旅行に招待するという約束をした場合、当該営利事業者はこの国内外旅行への招待により生じた費用について「その他費用」で処理することとされました。

 これにより税務上、取引が一定の水準に達することを条件に代理店または顧客を国内外旅行へ招待した場合に生じた費用は「その他費用」で計上します。一方、一定の水準に達することを条件とせずに旅行に招待し、生じた関連費用が「将来の取引」の増加を図るための「自由意思による支払い」の性質を有し、将来の営業収益の獲得との間で「絶対的な因果関係」を有する訳ではない場合、当該費用は「交際費」で計上することが明確となっています。

 なお、所得税法第89条第3項の規定に基づき、上記の国内外旅行への招待に関してリストを作成し税務機関へ申告するとともに、源泉徴収票を発行して招待した代理店または顧客に交付する必要があること、招待を受けた代理店または顧客は「その他の収益」または「その他所得」として営利事業所得額または個人の総合所得額に算入して申告する必要があることに特に留意しなければなりません。

 本件の概要などにつきまして本稿をご参考いただきますとともに、詳細につきましては顧問会計事務所にもお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所 日本業務組
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