ニュース 法律 作成日:2013年2月6日_記事番号:T00042022
産業時事の法律講座日本の「意匠権」に相当する台湾の「新様式専利」は、2013年1月1日の新専利法の施行に伴い「設計専利」へと変更されました。この設計専利の保護の対象は物品の形状、模様、色彩など、視覚上の創作です。
今回の新専利法では、設計専利に対して、いくつかの法整備を行っています。
1)部分設計:これまでの設計専利は、物品の「全部」に対してのみ申請を許可していましたが、新法ではこの規制が緩和され、物品の「部分」に対しても設計専利の申請を行うことができるようになりました。ここでいう部分とは「部品」ではなく、物品の一部が全体に対して表現する外観を指しています。申請時には必ず「設計を主張する部分(特許を主張する部分)」と「環境(物品のその他の部分)」の位置、大きさ、配置関係を表示、または説明しなくてはなりません。また、特許を主張しない部分は通常は破線で表示します。
2)成組(組み合わせ)設計:これまでの設計専利は「単一」の物品に対してのみ、特許を申請することができましたが、新法ではこの規制が緩和され、2つ以上の物品が「同一の分類に属し、習慣上組み合わせて販売または使用される」場合、一つの申請案として設計専利の申請を行うことができるようになりました。組み合わせ設計には▽腕時計の時計部とバンド、ペンとキャップなど、そもそも一体物として存在するもの▽靴、靴下、手袋など、一対で存在するもの▽将棋、チェスなど、一組のものとして存在するもの──などがあります。組み合わせ設計の内容の一部は、部分設計として設計専利を申請することができます。
3)図像(図形)設計:表示装置(コンピューター画面など)上に一時的に表示される平面図形を指し、一般には「コンピュータ・ジェネレーテッド・アイコン」と「グラフィック・ユーザー・インターフェース」が含まれます。このような図形設計と、包装紙や布などの平面物品上の平面図形とは異なります。図形設計は、表示装置上のあらゆる位置に表示でき、またその位置や大きさを自由に移動、変更できるため、図形設計の特許範囲には、図形とその環境の位置関係、大きさ、配置関係の制限がありません。また表示装置の用途にも制限がないため、銀行の現金自動預け払い機(ATM)、スマートフォン、家電の表示部分なども図形設計の範囲に含まれます。
4)変化する外観の設計:これまでの設計専利では、「固定」された設計に対してのみ専利を申請することができましたが、新法ではこの規制が緩和され、変化する外観に対しても設計専利の申請を行うことができるようになりました。例えば発光ダイオード(LED)を使用した信号や、指示など、外観、図案、色が時間とともに変化をする設計です。このような設計は、申請時に「変化の内容」を図形で示し、必要な場合には文字による説明を行わなければなりません。現在のところ、動画ファイルによる表示方式はこの特許を申請することができません。また変化の順序が数種類ある場合は、それぞれを一つの設計専利として申請を行わなくてはなりません。
不動産にも適用へ
また、知的財産局は、過去一貫して「不動産」に関する新式様専利は申請できないという立場を取っていましたが、最近その態度に変化が見られ、「不動産」の「店頭設計」「内部装飾設計」について設計専利を申請できるようになる見通しです。
上記のような新しい制度は、より社会的要求に即した、新しい設計媒体を開拓することとなりました。しかし、以下の各種設計については、設計専利を申請することができないことには注意が必要です。
1)純功能的物品の造形
2)純芸術作品
3)集積回路の回路配置および電子回路の回路配置
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