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13年10大ニュース!(1位)


ニュース その他分野 作成日:2013年12月27日_記事番号:T00047878

月間5大ニュース

13年10大ニュース!(1位)

【1位】食品不正相次ぐ、モラル低下が危機的

 本来、安心安全な製品を供給すべき食品メーカーが、利益を優先するあまり、禁止添加物の使用や偽装表示を行うなど、モラル低下を象徴するような違反事件が相次いだ。有名大手企業の製品や、食の安全性を認証する「GMP認証」取得製品も偽装事件にかかわっていたことが分かり、食品業界に対する信頼感が大きく揺らいだ。検査体制の甘さを問われた政府は、食品衛生管理法の厳罰化やGMPマーク認証基準の厳格化に取り組むこととなった。台湾は美食のイメージが強いながら近年食の信頼性を失わせる事件が後を絶たず、対外的な信頼低下につながることも懸念される。


茂利の倉庫で押収されたでんぷん。問題の無水マレイン酸が添加されたでんぷんの押収量は、今年1年で397トンに及んだ(中央社)

「毒でんぷん」騒動で外食手控え

 5月、モチモチとした食感を出すため、さつまいも粉や合成でんぷんに、腎臓機能を低下させる恐れのある無水マレイン酸が添加されていたことが明るみに出た。タピオカや芋円(イモ団子)、豆花(豆腐デザート)、米粉(ビーフン)などから検出され、消費者が外食を控え、レストランの売上高が同月としては10年ぶりのマイナス成長となった。また、シンガポールへ輸出した食品からも検出され、台湾製の信用を落とした。

 事件を受け、行政院衛生署(現・衛生福利部)は食品メーカーや料理店などに店頭での安全証明の掲示を義務付けた。また立法院で食品衛生管理法が改正され、食品メーカーに最大1,500万元の罰金が課せられるようになった。

 しかし12月、問題のでんぷんを継続販売していた茂利澱粉(台南市善化区)が摘発されて、最高額の罰金1,500万台湾元と違反製品の隠匿で罰金300万元が言い渡され、食品メーカーのモラル低下の根深さが改めて示された。

食用油の偽装表示、大手も黙認

 10月には、食用油大手の大統長基食品廠が純度100%オリーブオイルなどと表示して販売しながら、実際は安価な綿実油(ワタの実を絞った油)を加え、添加が禁止されている銅クロロフィルで着色するなど偽装表示を行っていたことが分かった。同社は食品大手、頂新国際集団の頂新製油実業にも供給しており、味全食品工業のブランドとして大量に販売されていた。この他、福懋油脂(フォルモサ・オイルシード・プロセッシング)も大統の油を原料に混合油を生産していたことが分かり、対象製品が店頭から相次いで撤去された。

 しかし味全は、大統製品の使用を知りながら商品を撤去せず、製品は安全と公表するなど、消費者を軽視した態度を取り続けたため批判が集中。台湾食品良好作業規範発展協会(GMP協会)理事長を務めていた魏応充董事長は、董事長、理事長職を辞任することとなった。経済部は事態を受けて、大統、頂新製油、福懋油脂に対し製品のGMP認証マークの使用権を取り消した。

 食用油不正表示問題の発端となった大統は詐欺などの罪で起訴され、董事長の高振利被告は一審で懲役16年、同社には5,000万元の罰金が言い渡されたが、高被告は判決を不服として上訴している。 

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