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第61回 会社法改正案の要点について(後半)


ニュース その他分野 作成日:2014年3月19日_記事番号:T00049232

KPMG 分かる台湾会計

第61回 会社法改正案の要点について(後半)

 今回の本コラムでは、前回に引き続き1月9日に行政院より公表された会社法の改正案について取り上げたいと思います。今回の改正案には会計と直接関係のないものも含まれますが、そのうち、会社経営上、比較的重要な影響があると考えられる部分について説明いたします。

1.従業員特別配当の費用化(改正案第235条)

 現在、台湾の株式会社は定款上に従業員特別配当の規定を記載し、利益の配当を行う場合は必ず従業員特別配当を実施することが求められています。改正案では従業員特別配当の制度を廃止し、従業員への賞与報酬制度は企業の任意とすることとされています。

2.公開会社の期中利益配当(改正案第240条の1)

 現在、台湾の株式会社の利益配当は、定時株主総会決議による年1回の配当のみ認められています。改正案では、株主の投資効率に配慮し、株式公開発行会社に対して中間期での利益配当を認めることとしています(期中利益配当)。

 期中利益配当は取締役会の権限に属するとされ、会社定款にはその旨記載する必要があります。また、期中配当は公認会計士の監査済み中間財務諸表上の剰余金を原資とし、期中利益配当の決議を行った公開会社には、決議日の翌日までに「公開情報観察ウェブサイト」において公表することを求めています。

 今回の改正案の趣旨は主に国際的な動向を鑑みたもので、従業員特別配当制度の廃止や公開会社の期中利益配当などは台湾の会社法制を国際的な標準に合わせる狙いがあると考えられます。

 なお、従業員特別配当の廃止や期中利益配当(公開会社のみ)といった事項については、定款の変更が必要となります。改正案が原案どおり可決されるかどうかは審議の行方を見守る必要がありますが、各企業におかれましては、今後の審議や報道を見守り、貴社の方針を検討されることも有用かもしれません。

 今回の会社法改正案については、下記の政府公告リンクに掲載されています。

行政院各部署から立法院へ提出された会社法改正案
http://www.ey.gov.tw/News5.aspx?n=875F36DB32CAF3D8&csn=36A0BB334ECB4011

立法院の法律提案の審議進捗検索システム
http://lis.ly.gov.tw/lgcgi/ttsweb?@0:0:1:lgmempropg08@@0.47214655081555706

 本件につきましては本稿をご参考いただきますとともに、詳細につきましては顧問会計事務所にもお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
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