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第64回 営利事業所得税監査準則の改正について


ニュース その他分野 作成日:2014年6月18日_記事番号:T00050984

KPMG 分かる台湾会計

第64回 営利事業所得税監査準則の改正について

 2014年4月9日、営利事業所得税監査準則(以下、「監査準則」という)の改正が公表されました。今回の改正の主な内容としては、営利事業所得税(以下、「法人税」という)のルールの一部を、上場企業では13年1月1日以降開始される事業年度から適用されている国際会計基準(IFRS)へ対応させた点などが挙げられます。そこで、今回の本コラムでは、本監査準則の主な改正点についてご紹介したいと思います。

1.IFRSへの対応に係る改正

・財務諸表の作成基準として(金融監督管理委員会が認める)IFRSを追加(第2条)。
・企業の販売に伴ってポイントが付与される販売取引の益金算入基準の追加(第15条の3)。
・工事収益の認識基準として原価回収基準(コスト・リカバリー・メソッド)を追加(第24条)。
・ファイナンスリースの認定方法に係る規定の追加(第36条の2)。
・固定資産を重要な構成要素に区別して資産計上する方式(コンポーネント・アプローチ)の追加(第95条第9号)および重要な公共施設のBOT(建設・運営・譲渡)に係る固定資産および無形資産の取り扱いの追加(第95条第16号)。
・IFRS初適用時における固定資産および無形資産などの科目振替に伴う償却費の損金算入要件を追加(第104条)
・IFRS初適用時における前期損益修正項目を課税対象外とする規定の追加(第111条)。

2.その他法令および通達などに合わせる改正

・従業員の個人所得に算入される企業が負担する従業員の保険料の種類に係る規定の追加(第83条)。
・特種貨物労務税(ぜいたく税)の損金算入要件に係る規定の追加(第90条)。
・取引業者および顧客を旅行へ招待する場合の旅費の損金算入要件の追加(第103条)

3.申告手続きの簡素化のための改正

・統一発票(公的レシート)が取得されていない費用の損金算入要件の追加(第38条、第67条)。
・出張時における各種費用の証憑の追加(第74条)。
具体的には▽台湾域内宿泊費:宿泊先、旅行会社などが発行する領収書および消費明細▽台湾域内交通費:自動料金収受システム(ETC)利用料の証明書類▽台湾域外航空費:航空機の搭乗券を紛失した場合、台湾からの出境を証明できるパスポートの写し──。
・輸出損失に係る国外公証機関等の認証免除基準額の50万台湾元から90万元への引き上げ(第94条の1)。
・従前より監査準則に規定されていた「法定耐用年数」について、当該法定耐用年数とは所得税法に規定された「固定資産耐用年数表」であることを明確化(第95条第10号)。
・裁判所の更生認可を受け減資した会社および実質的に経営状態にない外国会社に対する投資の損失計上に係る証憑規定の追加(第99条)。

4.改正監査準則の適用開始日など

 本改正監査準則は13年度の法人税申告から適用されます。ただし、第38条、第67条および第74条、第95条第10号の改正条文は、本改正の施行日時点で国税調査が完了していない申告案件においても適用されます(第116条)。

 改正の全文については、財政部賦税署のウェブサイト(http://www.dot.gov.tw)の「賦稅法規/法律与法規命令/営利事業所得税相関法規/営利事業所得税查核準則」にて確認することができます。

 本件に係る詳細な情報につきましては、顧問会計事務所等にお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
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