ニュース その他分野 作成日:2014年11月19日_記事番号:T00053900
KPMG 分かる台湾会計台湾企業からその従業員へ付与される給付や福利制度にはさまざまなものがありますが、今回は特に日本では見られない従業員への給付・福利制度として、従業員特別配当(員工紅利)制度および従業員福利委員会制度の2つの制度を取り上げたいと思います。
1.従業員特別配当
ご存じの方も多いと思われますが、台湾には会社利益の一部を従業員に還元するという法律があります。具体的には、台湾企業は定款に従業員特別配当の規定を記載し、株主へ利益配当を行う場合には所定の比率によって必ず従業員特別配当を実施することが求められています。本制度は現行会社法第235条第2項に規定される強行法規と考えられます。
もっとも、このような制度は国際的にみて珍しい制度であり、そもそも従業員に対しては賞与という形で業績の一部が還元されることが一般的であることから、今年1月には本制度を廃止する改正法案が立法院へ上程されています(第61回「会社法改正案の要点について(後半)」をご参照)。
2.従業員福利委員会
従業員が50人以上の比較的規模の大きい台湾企業は、従業員の福利厚生を目的とした従業員福利委員会を設置することが求められています(職工福利金条例第1条、労福一字第0920016167号)。従業員福利委員会は従業員の福利厚生を目的とするものですが、定期/不定期の福利金の積み立てが要請されており、企業負担分も含まれています。
これら定期/不定期の福利金の積み立てと営利事業所得税(法人税)法上の取り扱いをまとめると下表の通りです。
福利金の積み立ては比較的多額になることも想定されますが、その管理は福利委員会で行い、帳簿を作成して毎年行政監督当局(労働局)へ提出することが必要です。
「職工福利金条例」自体は特に新しい条例ではありませんが、これまで一般的に必ずしも尊重されてきたとは言えない状況にあり、近年、当該条例の順守状況のヒアリングや順守の督促など、行政指導の動きが見られています。本コラムの読者の皆さまにおかれましても、ご留意いただければと思います。
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