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第73回 中小企業の新規雇用従業員に係る給与の租税優遇


ニュース その他分野 作成日:2015年3月18日_記事番号:T00055930

KPMG 分かる台湾会計

第73回 中小企業の新規雇用従業員に係る給与の租税優遇

 昨年6月、中小企業の研究開発投資や新規雇用に係る人件費の租税優遇措置を定めた中小企業発展条例が成立し、本コラムでは「第65回 中小企業発展条例の改正について」において取り上げました。その中で、中小企業の新規雇用に係る人件費の租税優遇(同条例第36条の2)については詳細未定の部分がありましたが、2月6日に行政院より細則が公表され、幾つかの適用条件が定められました。台湾における日系企業には中小企業の条件に当たる企業が少なくないと考えられ、今回はこの詳細の部分について取り上げたいと思います。

1.概要
(1)適用の期間
優遇措置の適用期間(第3条)は「当局が認定する期間」とされていますが、具体的には、失業率が3.78%以上の状況が6カ月以上継続した場合に条例の施行日にさかのぼって2年間を指すとされます。2015年2月末時点でこの景気動向指数の条件は満たされており、実際には条例の施行日である14年5月20日にさかのぼり、同日から2年間が申請可能期間になると考えられます(当局の認定公告は行われていません)。

 

(2)適用の条件
また、申請するためには申請主体となる中小企業(注1)が下記の一定の要件を満たす必要があります。

・適用期間中に新規設立または50万台湾元以上を増資した中小企業であること。
・当局が公告する最低賃金(注2)以上の賃金で2人以上の台湾国籍従業員を新規雇用すること(台湾国籍の労工保険平均加入者数が前年実績を2名以上上回ること)。
・新規雇用者への給与を含む給与総支給額が一定の公式によって計算した前年度給与総額を超えること。

(注)
1.中小企業とは下記に該当する企業を言う(中小企業認定標準第2条)
・資本金が8,000万元以下の製造業、建設業、鉱業および土石採取業である企業
・上記業種以外の場合、前事業年度の営業収益が1億元以下の企業
・もしくは指導業務を行う企業であり、指導業務の提供のために経常的に雇用する従業員数が下記aおよびbに該当する場合の当該企業。なお「指導業務」について、現在経済部にて当該文言を削除した改定条文を公表することが検討されています。

a)製造業、建設業、鉱業および土石採取業に属する企業で経常的に雇用する従業員数が200人未満である企業
b)上記業種以外の場合、経常的に雇用する従業員数が100人未満である企業

2.15年2月末日現在、当局が公告する最低賃金は2万8元である

2.補足説明 
 既存の中小企業が本優遇の適用を受けるためには14年5月20日からの2年間に50万元以上の増資を行い、2人以上の台湾人従業員の純増などの要件を満たす必要がありますが、このような条件に当たる日系企業があれば優遇を受けられる可能性があります。

 本件に係るより詳細な情報につきましては、顧問会計事務所などにお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
Mail: kota1@kpmg.com.tw
TEL: 886-2-8101-6666
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