ニュース その他分野 作成日:2015年1月21日_記事番号:T00055008
KPMG 分かる台湾会計Y’s News読者の皆さま、新年明けましておめでとうございます。2015年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年は日本では消費増税の延期か否かをめぐって衆議院の解散・総選挙が行われ、与党が大勝したことはご記憶に新しいことと思います。消費税は付加価値を課税対象とする税金ですが、台湾には日本の消費税に相当する税金として「付加価値型および非付加価値型営業税」(以下、「営業税」)があります。そこで、15年最初の本コラムでは台湾の営業税を取り上げてみたいと思います。
そもそも日本の消費税と台湾の営業税はいずれも付加価値を課税対象とする点で共通していますが、両者の相違点は税率のほか、両者では各課税業者の税額計算に違いがあります。具体的には、日本では「請求書等保存方式」による計算を採用されていることに対し、台湾では「インボイス方式」が採用されています。
1.付加価値税の負担関係
台湾の営業税も日本の消費税も付加価値に対して課税を行う点では共通しています。この課税関係と負担関係を図示すると図表の通りとなります。
2.請求書保存方式とインボイス方式
台湾の営業税と日本の消費税の基本的な考え方は共通していますが、上記の仕入営業税額の控除要件として、日本では帳簿および請求書(インボイス)等の保存(請求書等保存方式)が要件とされるのに対して、台湾では統一発票という法定証憑に税額が記載されること(インボイス方式)を要件とする点で異なります。台湾において仕入税額を売上税額から控除するためには、受領者の名称、統一番号、購入した品目および金額が記載された適法な統一発票を取得する必要があります。
3.営業税申告の誤りに係る処罰
統一発票の記載要件は法律で定められていますが、この要件を満たさない統一発票等を仕入営業税の証憑として営業税の申告を行った場合、処罰されることがあります。
例えば、受領者の名称や統一番号が未記載である場合は、当該統一発票に係る仕入税額は控除税額として認められず、罰金も科されます(営業税法第48条)。
また、個人や小規模事業者等から不実取引を対象として発行された統一発票を仕入証憑とすることもできません。例えば、A社と契約しA社から物品を購入したにもかかわらず、受領した統一発票がB社名義で発行されており、購入した課税業者が当該統一発票を仕入証憑として使用するような場合がこれに当たります。虚偽の統一発票を発行したのはA社ですが、このことが国税局の知るところとなった場合、B社の統一発票を仕入税額控除の証憑とした課税業者についても処罰を受ける可能性があります(営業税法第19条および税金徴収法第44条)。
現在、台湾も日本も単一の税率が適用されていますが、日本では軽減税率の適用対象をめぐって議論が行われています。もし将来、複数の税率が導入される場合には日本でもインボイス方式が導入される可能性があると言われています。
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