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第70回 今年の法改正・改正案の現状について


ニュース その他分野 作成日:2014年12月17日_記事番号:T00054434

KPMG 分かる台湾会計

第70回 今年の法改正・改正案の現状について

  時のたつのは早いもので2014年も12月となりました。統一地方選挙が終わり、台北では冬らしい曇りと雨の日が多くなってきました。さて、今回の本コラムでは14年を振り返り、今年台湾で公表された法改正などについて、現状も踏まえてお伝えしたいと思います。

1.会社法改正案

 14年1月、行政院より会社法改正案が公表され、立法院(日本の国会に相当)の審議へ移されました(第60回、第61回および第69回)。本改正案はその後審議が継続されていますが、12月現在、立法院委員会での審議が継続され、可決/否決に至っていません(「第八届法律提案審議進度系統」より)。

 本改正案には、従業員特別配当(員工紅利)制度の廃止、公開企業の期中利益配当制度の創設などが含まれており、主に台湾の上場企業や公開企業向けの制度改正が盛り込まれていますが、特に従業員特別配当の廃止については日系企業にも影響すると考えられます。

 従業員特別配当に関しては、現在、各企業において定款に一定の分配比率が記載されていますが、法案が成立し特別配当制度が廃止された場合、企業は当該定款規定を削除し、企業としても特別配当を廃止することができると考えられます。

2.改正所得税法

 14年5月、所得税改正法が成立しました。本改正については読者の皆さまもご存じの方が多いと思いますが、もっぱら高額所得者を対象とした課税の強化を目的とすると言われており、非居住者を株主とする日系企業にも影響する内容が含まれています。具体的には、両税合一制度における未分配利益に係る営利事業所得税の配当時源泉所得税からの控除を従来の半分とする改正が行われています(第63回)。

 本改正は15年1月1日施行とされ、同日以降を配当基準日とする企業の利益配当には改正法が適用となります。非居住者を株主への利益配当に当たり、源泉所得税から控除できる過去納付済みの未分配所得税の控除割合が従来の半分となります。14年12月末までを基準日とする配当は現行法の適用対象とされており、もし現時点で検討されていない企業があれば、お早めに検討されることをお勧めします。

 個人総合所得税に関しても累進課税の最高税率区分(注1)の新設が行われますが、こちらは15年度の所得に係る申告・納付から適用となります。

(注1)年間課税所得が1,000万台湾元以上の場合、所得税率は45%となる。

 上記のうち会社法改正案については、新たな動向があり次第、改めて本コラムでも取り上げたいと思います。

 本件に係る詳細な情報につきましては、顧問会計事務所等にお問い合わせの上、業務にお役立ていただけますと幸いです。
本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
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