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第14回 判決による離婚の要件


ニュース 法律 作成日:2008年1月16日_記事番号:T00005008

産業時事の法律講座

第14回 判決による離婚の要件

 
 台湾の法律では、夫婦の離婚について「両願離婚」ができるとなっています。これは、夫婦双方の同意があれば、いつでも離婚をすることが可能という意味です。しかし、もし夫婦の一方が離婚を望んでも、他方が希望しなければ、裁判所に「判決離婚」を申請しなければなりません。

 「渉外民事法律適用法」によると、裁判所に判決離婚を申請した場合、夫婦双方が外国人の場合は、夫の本国の法律と中華民国の法律、両方の離婚要件を満たさなければ、裁判所は離婚を判決を下すことができません。しかし、もし夫婦の一方のみが台湾人の場合、中華民国の法律に規定されている離婚要件さえ満たせば、離婚の判決を受けることができるのです。

 判決離婚が可能な状況については、民法1052条に規定が設けられています。この条文はこの1月9日に法改正が行われました。条文内容に大きな変化はありませんが:

1)最もよく見られる離婚理由である、「配偶者以外の者と合意の上に性交」について、改正前の条文では「ほかの人と通姦する」という規定でしたが、改正後の条文では、同性との性交、及び道具を使用した性交なども離婚理由に含まれることになりました。

2)他方の直系親族に対する虐待については、改正前の条文では「他方の直系の尊属親族」が対象と規定されていたが、改正後は他方の子女、孫に対する虐待も離婚理由に含まれることになりました。

3)故意による犯罪については、改正前の規定では3年だった有期刑が6カ月以上の有期刑になりました。改正条文と、現在の裁判所の量刑標準は一致していると見てよいでしょう。通常、裁判所は悪質と考えられる犯罪に対してのみ、6カ月以上の有期刑の判決を下すからです。

 しかし、たとえこれらの条件を満たしたとしても、判決による離婚を求める場合は時間的な制限があります。例えば配偶者が他者と性交を行った場合は、その事実を知ったときから半年以内に提訴しなければなりませんし、6カ月以上の有期刑を受けたことを理由とする場合は、判決確定後1年以内に提訴しなければなりません。これらの期限を過ぎた後は、離婚の請求を行うことができなくなります。


徐宏昇弁護士事務所
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