ニュース その他分野 作成日:2016年9月21日_記事番号:T00066513
KPMG 分かる台湾会計今週は各項目の税務上の取り扱いの説明に戻り、有形固定資産について説明いたします。
1.固定資産の資産計上基準
日本においては、使用期間が1年未満の物または取得原価が10万円未満の資産は固定資産計上が不要となり、取得時に損金処理が認められています。また、使用期間が1年超でも取得価額が10万円以上20万円未満の固定資産については資産に計上し3年間の均等償却という一括償却資産としての処理が認められています。台湾においては、使用期間が2年未満または取得原価が8万元を超えない資産については取得時の損金処理が認められています。
一つ一つの金額は基準金額に満たなくとも、ひとまとまりの単位で上記金額基準を超える物については、日本、台湾ともに固定資産計上が必要です。
2.固定資産取得のための借入金利息の資産計上
日本においては、固定資産取得のための借入金利息は固定資産の取得原価に含める必要は無く、利息の発生に応じて損金算入が認められています。台湾においては、固定資産取得のための借入金利息のうち、当該資産の稼動までの期間の相当額については固定資産の取得原価に含めることとされています。
3.減価償却方法
日本においては定額法、定率法、生産高比例法などが認められています。ただし、税制改正により取得年度ごとの取り扱いの相違や、資産ごとの減価償却方法の指定、税務上の特殊な計算などがあり、少し複雑です。台湾においては定額法、定率法、級数法、生産高比例法、作業時間法の中から法人が選択することができます。
4.固定資産の耐用年数
耐用年数については、日本、台湾ともに税務上の法定の耐用年数が指定されていて、法定耐用年数より短い期間での減価償却費については、法定耐用年数による減価償却費を超える額について損金算入が認められません。
5.小型自動車の減価償却費の規定
台湾における特別な規定として、小型自動車の取得原価が250万元を超える場合のその超過分の減価償却費については損金算入が認められていません。なお、レンタカー業における営業用自動車については当該取得原価の基準が500万元とされています。
まとめ
固定資産については一般的に金額が大きく、使用期間も長いため、その会計および税務処理も長期に及びます。最近では日本親会社の国際会計基準(IFRS)の適用に伴い、台湾子会社においても親会社と同様の方針でIFRSに基づき会計上の減価償却が要求される場合もあり、税務と会計との差も拡大傾向にあります。日本、台湾における相違を含め、税務、会計それぞれの処理方法を十分理解し、対応する必要があると考えます。
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