ニュース その他分野 作成日:2016年12月7日_記事番号:T00067862
KPMG 分かる台湾会計2015年労働基準法(労基法)改正により、旧退職金制度に関する外部積立口座への追加拠出規定ができ、今年の3月に追加拠出をした会社も多いと思います。今回は退職金拠出額の損金算入限度額について事例とともに説明いたします。
1.退職基金拠出額の損金算入限度額の一般規定
労基法に基づく従業員退職基金に対する拠出額(旧退職金制度)および労工退職金条例に基づく従業員退職基金に対する拠出額(新退職金制度)については、支給した給与総額の15%を限度として損金計上することができます。
2.外部積立金の追加拠出規定と損金算入限度額
15年の労基法の改正により、毎年12月末時点における旧制度の外部積立金残高が、翌年12月末における旧制度の退職金受給資格を有する従業員の退職金要支給額に満たない場合、企業は翌年の3月末までに当該積立不足額の追加拠出が必要です。当該改正に伴う追加拠出額は拠出年度に全額損金算入することができ、従来の退職金損金算入限度額に含める必要はありません。
3.南区国税局が提示した事例
A社は12月決算の営利事業者で、16年12月末に旧退職金制度を適用する従業員の3人が退職金受給要件を満たします。15年12月末における旧制度の労働者退職基金口座残高300万台湾元に対し、旧制度の受給要件を満たした3人の16年12月末時点の退職金要支給額が400万元のため、不足額100万元(400万元-300万元)を16年3月末までに追加拠出しました。A社の当該不足額の追加拠出額は、その全額を拠出年度(16年度)に損金算入することができます。
また、A社の16年度支給給与総額は1,000万元であり、同年度の従業員退職基金(旧制度)へ90万元、従業員退職基金(新制度)へ70万元、合計160万元を拠出しています。これは支給給与総額の15%(150万元)の限度額を超過するため、限度内の150万元のみ損金算入できます。よって、A社が16年度に損金計上することのできる退職基金費用は合計250万元(100万元+150万元)となります。
まとめ
上記事例の通り、労基法改正に伴う3月の追加拠出分は全額算入が認められるものの、同一年におけるその他の退職金拠出については一般の限度額規定が適用されます。また外部積立金の不足は翌年以降も継続的に確認し、不足があれば毎期3月末までの追加拠出を要する点も注意が必要です。
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