ニュース その他分野 作成日:2017年2月15日_記事番号:T00068965
KPMG 分かる台湾会計日本ではふるさと納税として、好きな地方自治体に寄付をすることで、ほぼ同額の税金が控除される制度があります。税金の本来の目的から外れ、その見返りの特産品、特に換金性の高いものを受け取る目的で寄付することが社会問題にもなっています。今回は、台湾での寄付金の税務上の取り扱いと課題を説明します。
1.台湾にふるさと納税はあるか
「聞いたことがない」と思われる通り、台湾には同様の制度はありません。逆に、次のように台湾の個人の寄付金控除および企業の寄付金の損金算入は非常に限定されています。
2.個人の寄付金控除
個人所得税において、所得控除の1項目として寄付金控除があります。政府等に対する寄付金は全額控除できる一方、教育、文化、慈善団体等への寄付金は総合所得の20%を限度として控除が認められます。ただし、当該控除は保険料控除、医療費控除等の項目別実額控除の一つであり、定額控除との選択になります。2016年度の配偶者ありの場合の定額控除は18万台湾元ですので、小額の寄付の場合は定額控除を選択した方が有利になります。その場合は実質的には寄付金控除が受けられないことになります。
3.企業の寄付金の損金算入
企業の寄付金は、下記の表に記載するものを除き、原則として損金不算入となります。
4.海外の公益団体等への寄付は?
昨年4月に発生した熊本地震では、台湾から多くの義捐金が寄せられました。その際、例えば日本赤十字社に直接寄付をした台湾の企業または個人の寄付は上記に当てはまらず、寄付金控除や損金算入が認められないという課題がありました。海外の公益団体等への寄付は寄付金控除、損金算入が認められないため注意が必要です。
まとめ
企業に関しては、寄付金はそもそも事業に関連しない支出のためその損金算入が認められないという基本的考え方は日本も台湾も共通です。もし寄付を考えられている場合は、その対象および金額について税務上の規定を踏まえて実施されることをお勧めします。
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