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第113回 固定資産耐用年数表の改正


ニュース その他分野 作成日:2017年5月3日_記事番号:T00070338

KPMG 分かる台湾会計

第113回 固定資産耐用年数表の改正

 12月末決算の会社は5月末が営利事業所得税(法人税)の申告期限となります。影響が大きい会社は多くないかもしれませんが、2016年度の営利事業所得税の確定申告から適用され、固定資産耐用年数表などの改正を17年2月に財政部が公布しました。今回は当該改正の主な内容について、説明します。

1.「感知装置ネットワーク通信および情報処理設備」の耐用年数の新設

 次の設備の耐用年数が新設されています。

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 これらの設備を16年1月1日以降に取得または製造した場合、当該耐用年数が適用され、15年12月31日以前に取得または製造した場合は原則従前の耐用年数のまま減価償却を継続します。

 ただし、未償却の残存耐用年数がある固定資産について、16年度より、減価償却を加速し会社の固定資産更新に資するため、従前の耐用年数に基づく未償却の残存耐用年数を新規定に基づいて換算することが認められます。換算の計算式は、(従前の耐用年数に基づく未償却の耐用年数÷従前の耐用年数)×改正後の耐用年数となります(端数は原則四捨五入)。例えば、伝送ネットワーク設備の新耐用年数は3年ですが、従前はその他器具備品として5年の耐用年数を適用していたとします。この設備を15年1月1日に取得した場合、16年1月1日現在において、従前の耐用年数に基づく未償却の耐用年数は4年ですが、新規定に基づいて換算する場合、4÷5×3=2.4年となり、四捨五入により2年とすることが可能となります。

2.耐用年数などの変更に関する規定の緩和

 16年度から適用される新しい会計基準である企業会計準則(EAS)により、耐用年数および減価償却方法は会計上の見積の変更として、実態に応じた変更が必要になりました。これに合わせて、税務上も耐用年数の変更および減価償却方法の変更について、事前承認が不要になりました。これにより会計上と税務上の耐用年数および減価償却方法を一致させることがより容易となりました。なお、税務上の耐用年数は耐用年数表の年数より短くすることは引き続き認められません。

3.固定資産の重要な各構成要素の単独での減価償却費の計上

 同じくEASの規定で固定資産について重要な構成要素ごとに区分できる場合に、構成要素ごとに耐用年数を選定して減価償却を計算することが必要になりました。税務においても今回の改正において、重要な構成要素ごとに、その性質により適用する耐用年数を選定する必要がある旨が明確化されました。例えば、航空機を所有している場合、航空機全体での減価償却ではなく、機体とエンジン部分に分けて減価償却をするなどの対応が求められる可能性があります。

まとめ

 16年度から適用される税法規定が17年2月に公布されるというのは台湾らしいところでしょうか。感知装置ネットワーク通信および情報処理設備を多く所有している会社や、今後大きな固定資産投資を計画している会社は、耐用年数および減価償却のグルーピングに影響がある可能性がありますので、ご留意ください。

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