ニュース その他分野 作成日:2017年7月5日_記事番号:T00071505
KPMG 分かる台湾会計前回税制改革の説明において留保金課税の控除額への影響可能性について言及しました。今回はそれを補足するために、改めて外国株主を前提に留保金課税制度について解説いたします。
1.留保金課税の概要
営利事業所得税(法人税)と個人所得税の二重課税を解消する措置として両税合一制度(法人税と個人所得税の二重課税解消措置)が1998年度から開始されました。その一部として導入されたのが留保金課税です。企業が獲得した利益のうち、分配しなかった部分に対して10%の営利事業所得税の追加課税がなされます。課税(納付)のタイミングは利益計上年度の利益処分の株主総会決議がなされる年度、すなわち利益計上年度翌年度において営利事業所得税とともに申告納付します。
2.外国株主への配当時の控除額
留保金課税は配当時の源泉税の前払いと考えられ、台湾企業から配当される利益が過去に留保金課税を受けている場合には、配当時に下表計算式により算出した金額を配当源泉税徴収税額から控除することができます。
15年の税制改正において、国内株主の配当税額控除額が半減されたことに伴い、外国株主の留保金課税の配当源泉税からの控除額も半減されました(表のE)。留保金課税は配当時の源泉税の前払いの趣旨でしたが、半額しか控除できない状況となっています。
3.今年度の税制改正での懸念
前回説明した懸念は、現在はまだ表のEのとおり留保金課税の半額は控除できているのですが、今年度の税制改正において、過去に納付済みの留保金課税額に対する経過措置もなく、この半額控除もなくなる可能性があります。
まとめ
今回の税制改革の修正法案が近く財政部から行政院に送られると言われています。このコラムが公表される頃には既に公表されているかもしれません。当該懸念が杞憂(きゆう)で終わることが望まれます。
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