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17年11月の5大ニュース


ニュース その他分野 作成日:2017年12月4日_記事番号:T00074302

月間5大ニュース

17年11月の5大ニュース

【1位】大気汚染対策が続々、統一地方選への影響懸念

 深刻化する大気汚染への対策として、高雄市は28日、12月からの3カ月間、公共交通機関の運賃無料化を発表、市北部の興達発電所に石炭使用量の2割削減を求めた。台中市も29日、台中火力発電所に対し石炭使用24%削減を要求した。

 地方自治体による相次ぐ対策発表の背景には、大気汚染問題が来年末の統一地方選挙に悪影響を及ぼすとの懸念がある。蔡英文政権は脱原発の理念の下、定期補修などが完了した原発の原子炉を再稼働させず、代わりに火力発電への依存を強めた。この結果、大気汚染の悪化が促されており、蔡政権は住民に住みやすい環境を提供するべき行政としての義務を怠っているとの不満が強まっている。 

 蔡政権は大気汚染対策にさらに注力する考えだが、一朝一夕で解決できる問題ではない。脱原発の理念と実践がもたらした結果がどのような評価を受けるのか、早くも統一地方選の注目点として浮上している。

【2位】慶富造船への乱脈融資事件、政府高官の関与疑惑も

 台湾海軍の掃海艇6隻を2014年に落札した慶富造船(高雄市)が債務不履行に陥り、虚偽の書類で150億台湾元(約560億円)の不正融資を受けていた事件で、資本金がわずかながら無担保で巨額融資を受けたことに馬英九前政権の高官が介在していた疑惑が浮上しており、検察が捜査を進めている。

 慶富造船への融資の審査が不適切だったとして、協調融資(シンジケートローン)幹事行の第一商業銀行(ファースト・コマーシャル・バンク)の蔡慶年董事長が更迭されたほか、国防部が歴代海軍司令ら23人を処分した。行政院海岸巡防署(海巡署)は慶富造船との建造契約を解除。海軍も契約を解除する方向だ。

 艦船国産化(国艦国造)を推進する中で起きた製造企業の不祥事に、蔡英文総統は、推進には影響がないと強調した。

【3位】李明哲氏に懲役5年判決、中台関係悪化の犠牲に

 中国当局に拘束されていた非政府組織(NGO)活動家で元民進党職員の李明哲氏が28日、岳陽市中級人民法院(湖南省)に国家転覆罪で懲役5年の判決を受け、李氏が控訴しなかったため判決が確定した。

 台湾人が国家転覆罪で起訴、有罪とされたのは李氏が初めて。蔡英文政権が今年3月、中国籍の元留学生をスパイとして検挙したことへの報復措置との見方が出ており、悪化した中台関係の犠牲になったとも言える。総統府は改めて李氏の釈放を中国に求めた他、米国務省も李氏の自由を回復するよう呼び掛けた。

【4位】CPTPP、加盟に期待感

 ベトナム・ダナンで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の経済閣僚会議で、米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国による「包括的および先進的TPP協定(CPTPP、TPP11)」の推進が大筋合意となったことが11日発表され、台湾は第2ラウンドからの交渉に参加する意欲を表明した。

 CPTPPは台湾を重要なパートナーと位置づける日本が主導しているため、台湾では念願の地域経済統合への参画実現に期待する声が高い。ただ、中国が台湾のCPTPP加盟に強い反対姿勢を表明したため、中台関係の改善なしには困難との意見も聞かれる。

 APECには今年も宋楚瑜親民党主席が特使で派遣され、日本の安倍晋三首相やシンガポールのリー・シェンロン首相らと精力的に会談を重ねた。

【5位】iPhoneX販売好調、「神話」変わらず

 アップルのスマートフォン最新機種iPhoneX(テン)が3日発売され、5万台以上がほぼ完売する過去最高の売れ行きとなった。世界でも、注文から出荷までの期間が6週間に拡大しており、最低3万5,900元からの高価格にもかかわらず、変わらぬ「iPhone神話」を見せつけた。

 これにより、台湾積体電路製造(TSMC)や鴻海精密工業、大立光電(ラーガン・プレシジョン)など多くの台湾サプライヤーが受注を増やしており、好影響は来年第1四半期まで続いて、景気の押し上げ効果が期待できるとの見方が多い。

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