ニュース その他分野 作成日:2017年12月6日_記事番号:T00074352
KPMG 分かる台湾会計台湾の営利事業者は、国外所得についても台湾において申告義務があります。今回は営利事業者の租税協定適用国からの国外所得申告時の外国税額控除に関し、台北国税局の指摘事例を踏まえて解説します。
1.外国税額控除
営利事業者が国外所得を有する場合、それを含めて台湾で営利事業所得税の申告をする義務があります。一方、当該所得源泉国の税法により既に納付している税金があれば、当該国の税務当局発行の納税証明を用いて台湾の営利事業所得税から控除することができます。なお、当該控除はその国外所得を加えることで増加する営利事業所得税の額(国外所得に台湾の税率を乗じた額)を超えることはできません。
2.台北国税局公表の事例
台湾の営利事業者A社は2015年度の営利事業所得税につき、ドイツ子会社から受領したロイヤルティー500万台湾元およびドイツにおける源泉税額100万元(500万元×20%)を申告し、85万元(500万元×17%)の外国税額控除を受けました。しかし、台湾とドイツの間には租税協定がありロイヤルティーの源泉税の上限税率が10%とされているため、租税協定未適用により過大納付した源泉税に対応する外国税額控除35万元(85万元-500万元×10%)につき、台北国税局が追徴課税しました。
3.租税協定締結国からの所得に関する外国税額控除
台湾の所得税法の規定により、租税協定により一方の国において課税が免除される所得または上限税率が設定されている所得に対して、租税協定を適用しないことにより過大に納付した一方の国の税額に関しては、台湾の営利事業所得税申告において外国税額控除が認められません。
まとめ
租税協定締結国からの所得について租税協定未適用により過大納付になった税金については、二重課税となる恐れがありますのでご注意ください。なお、日本においても同様の規定がありますので、日本に対する支払いに関して、日台租税協定を未適用により過大納付となった台湾の源泉所得税についても、日本における外国税額控除が認められない点も合わせてご注意ください。
本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。
KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
Mail: kojitomono@kpmg.com.tw
TEL: 886-2-8101-6666
友野浩司(内線06195)
石井顕一(内線15359)
横塚正樹(内線16991)
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722