ニュース その他分野 作成日:2018年3月5日_記事番号:T00075779
月間5大ニュース【1位】花蓮地震で震度7、ビル倒壊で死者17人
6日深夜、花蓮県近海を震源地とするマグニチュード(M)6.0の地震が発生し、震度7の揺れを観測した花蓮市ではホテルなど4棟が倒壊して死者17人、けが人291人が出た。うち14人が死亡した雲門翠堤ビルは、検察の調べで、1階部分の鉄筋構造の手抜き工事が発覚した。
12階建ての雲門翠堤ビルは斜めに大きく傾き、1階部分が押しつぶされた(中央社)
倒壊した建物はいずれも断層上に位置したため、1階部分を柱で支える騎楼(ピロティ)構造などの耐震性に注目が集まった。台湾では1999年9月の中部大地震を機に耐震基準が引き上げられたが、これを満たす住宅は全体の27.2%しかない。頼清徳行政院長は、老朽建築物の耐震対策に4年間に60億台湾元(約220億円)を投じる方針を示した。
花蓮地震では、日本の企業や芸能人、個人から義援金が相次いだほか、安倍晋三首相がフェイスブック(FB)で「台湾加油」と応援メッセージを公開した。建物に閉じ込められた行方不明者の捜索で、台湾政府が日本からのみ救援派遣を受け入れたりと、復旧支援をめぐって日台間の友好ムードが高まった。
一方、花蓮は観光地で、犠牲者にホテル宿泊中の中国人9人が含まれたこともあり、春節(旧正月)連休期間のホテルやツアーはキャンセルが相次いだ。
【2位】中国が31項目発表、過去最大の対台湾優遇措置
中国・国務院台湾事務弁公室(国台弁)は28日、台湾の企業と勤労者・学生を対象とした計31項目から成る、過去最大規模の優遇措置を発表した。中国企業・個人と同等の待遇を与えることが主眼で、中国で就業する台湾人がさらに増えると予想されている。
台湾企業に対しては租税減免、インフラ建設への参画認可、政府調達での公平な待遇などが、勤労者に対しては専門技術職資格試験の開放、テレビ番組・映画製作への参画開放などが盛り込まれた。
中国が台湾人の受け入れ門戸を広げることに対し、台湾では警戒感が広がっている。台湾の経済発展を担うはずの人材が中国に奪われるのみならず、そうした人材が所得を含めた中台の発展力の差を体感することによって台湾アイデンティティーが減退し、将来的に中国の統一攻勢に対する台湾の抵抗力が弱まってしまうことが懸念されている。
【3位】「ミスター中銀」、彭淮南総裁が引退
1998年以来、歴代最長の20年にわたり中央銀行(中銀)総裁を務めた彭淮南氏(79)が25日、任期満了に伴い退任した。彭氏はアジア通貨危機やリーマン・ショックなどの金融危機を絶妙の手腕によって乗り切り、長期にわたる台湾元安政策を通じて台湾の輸出成長を後押しした。米「グローバル・ファイナンス」による中央銀行総裁のパフォーマンス評価で、世界でただ1人、13年連続で「A」評価を受けている。退任後は中銀顧問に就任した。
中銀総裁を退任した彭氏(左)と新たに総裁に就任した楊氏(右)(26日=中央社)
後任の総裁には、楊金龍副総裁が昇格した。彭前総裁の路線を踏襲するとみられているが、台湾元安政策はプラス面ばかりではないため今後も継続されるのか注目される。
【4位】台湾旅行法可決、米台高官の相互訪問は微妙
米台高官の相互訪問を奨励する「台湾旅行法(Taiwan Travel Act)」が米国時間の2月28日、下院に続いて上院でも全会一致で通過した。
台湾旅行法は、あらゆるレベルの米国官僚の台湾訪問や、台湾のハイレベルの官僚の米国入国を認めるよう米国政府に求める内容。
相互訪問が実際に実現すれば、米台関係にとって1979年の断交以来の大きな転換となるが、米国務省は直後に「一つの中国政策の順守」を表明。高官の相互訪問に踏み切る考えを間接的に否定した。台湾旅行法は議会の意思表明で法的な拘束力がないこともあり、当面、相互訪問が実現するかは微妙な状況だ。
【5位】トイレットペーパー、品切れ騒動
トイレットペーパーメーカー各社が3~4月に最大3割の値上げを計画していると23日報道され、消費者が売り場に殺到した。各地の量販店では売り切れが続出し、販売量が前週比で10倍に達する店舗も出た。
台北市内のある売り場では25日夜、トイレットペーパーの陳列棚が空っぽになった(25日=中央社)
公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)は、値上げ情報を意図的に流して市場に混乱をさせたとして、業者の法的責任を追及する考えを示した。
永豊餘投資控股(YFY)、正隆(CLC)、キンバリークラークの業界大手3社はフル稼働で生産を急いでおり、現在は品切れ状態は徐々に解消されつつある。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722