ニュース その他分野 作成日:2018年7月4日_記事番号:T00077954
月間5大ニュース【1位】張忠謀TSMC董事長、引退
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長(当時86)が5日、董事長職を退き、引退した。張董事長は工業技術研究院(工研院、ITRI)院長を務めていた1987年、蘭フィリップスとの合弁でTSMCを創業。以来、一貫して同社の経営をリードしてきた。
張氏は、「TSMCはもう一度奇跡を起こせる」と後継者にエールを送った(中央社)
その功績は、何と言っても半導体の受託生産、ファウンドリーのビジネスモデルを世界で初めて考案、成功に導いたことにある。これにより、半導体メーカーは多額の工場投資を継続する必要がなくなり、半導体業界の分業体制が定着した。TSMCはまた、半導体の製造プロセスの微細化競争の先頭グループを走り、世界の電子産業の発展に貢献するとともに、台湾を半導体の重要拠点に押し上げた。
張氏は、引退後は自伝を書いたり、家族と旅行して過ごすと話した。なお、引退後も、業界見通しなどの発言が注目を集めている。
【2位】スマート自販機に商機、コンビニ大手2社が参入
コンビニエンスストア大手、セブン-イレブンとOK超商(OKマート)が、モバイル決済対応「スマート自動販売機」の設置を開始した。摂氏4度、18度、常温の3温度帯に対応し、多種多様な食品や日用品をコンビニ気分で購入できる。店舗数が1万店以上と飽和状態に陥るコンビニ業界で、人件費や賃料を抑制しつつ、より小規模な市場を開拓する狙いだ。
電子マネーやクレジットカードにも対応し、外国人でも言葉の壁なく、手軽に利用できる(OKマートリリースより)
OKマートはオフィスや工場、駅などを中心に、年内に1,000台、2020年に5,000台を目指す。コンビニの他、スーパーマーケット最大手の全聯福利中心(PXマート)や台北101もスマート自販機を設置、飲料大手の黒松はスマート自販機への切り替えを進めている。
【3位】人工透析で医療ミス、台大医院などで発覚
台湾大学医学院附設医院(台大医院)で先月、人工透析器に誤って水道水を接続する医療ミスがあった。患者6人のうち2人が死亡したが、台大医院は23日、ミスとは無関係と説明した。その後、中国医薬大学附設医院(台中市)でも同様の医療ミスが明らかになった。
台大医院は過失を認めて謝罪した(中央社)
今回のような医療ミスでも、感染症でない限り、病院に報告義務はない。原因究明、再発防止策、行政機関への報告を病院に義務付ける内容の法案が立法院で審議中で、早期成立が待たれる。
【4位】ミラマー映画館1カ月休業、経営者一族の抗争で
台北市中山区のシネマコンプレックス、大直皇家影城(ロイヤル・シネマ)が21日、1カ月間の営業停止を発表した。母体である美麗華集団(ミラマー)の経営者一族の抗争が背景にあり、予約していた延べ10万人に影響が及んだ。
大直皇家影城は、美麗華集団の創業者の次男、黄世杰氏が、長兄が総経理を務める商業施設、美麗華百楽園(ミラマー・エンターテインメント・パーク)の傘下企業から経営を委託されていた。しかし、黄世杰氏がグループの主要事業を独占し、対決姿勢を強めたことに不満を抱いた長兄と次女が映画館の経営権を回収。担当者が映画館を「接収」に赴いた際、機材の扱いに不慣れだったためミスが起き、上映が困難になって営業停止を余儀なくされた。映画館利用者の権益が、骨肉の争いによって犠牲になってしまった。
【5位】故宮南院で破損した伊万里焼、日台の縁つなぐ
故宮博物院南部院区(故宮南院、嘉義県)が大阪市立東洋陶磁美術館から借り受けた、江戸時代の伊万里焼の皿「青花柳葉鳥紋盤(そめつけやなぎとりもんさら)」が昨年展示中に自然破損したものの、日台共同で修復したことで、友好関係がより深まる結果をもたらした。
金継ぎで一つにつながった(大阪市リリースより)
「青花柳葉鳥紋盤」は、破損部分を漆で接着したのち、金粉でつなぎ目を装飾して仕上げる日本の伝統技法「金継ぎ(きんつぎ)」で修復された。28日より故宮南院で再展示されている。
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