ニュース その他分野 作成日:2018年9月5日_記事番号:T00079110
月間5大ニュース【1位】中南部で台風並みの豪雨、死者7人
23日より熱帯低気圧が中南部に豪雨を降らせ、広い地域で道路が冠水したのに続き、前線に南西からの湿った空気が流れ込んだ影響で、28日未明から高雄市や屏東県などで再び集中豪雨となった。豪雨は台風並みの被害をもたらし、死者は7人、冠水は1,572カ所に上った。道路がまるで河川のようになり、多くの通行止めで、車やバイクによる通勤通学も困難になった。
台風でなかったため油断もあった(中央社)
28日未明から早朝にかけての豪雨で冠水が150カ所を超えたことから、高雄市政府は同日午前6時過ぎに急きょ、公共機関と学校を休みとする「停班停課」を発表。判断が遅過ぎると批判が殺到した。
23日以降の豪雨による積算降水量は冠水に見舞われた地域で400~500ミリ、高雄市や台南市の一部地域で900ミリを超えるなど、100年に一度発生する水準を上回った。政府がこれまで膨大な費用を投じてきた治水対策では、不十分なことが浮き彫りになった。
【2位】蔡総統外遊、対米関係深化で成果
蔡英文総統が12~20日、中南米のパラグアイとベリーズへ、就任以来5回目の外遊を行った。往復の際、米国のロサンゼルスとヒューストンにトランジットで滞在し、レーガン記念図書館で談話を発表したり、米政府機関の航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターを訪問するなど、米台関係の深化を内外に印象付けた。
帰台した蔡総統は「台湾は圧力には屈しない」と改めて強調した(中央社)
一方、帰台直後の21日、中米エルサルバドルが台湾との断交、中国との国交樹立を発表した。蔡総統がロス滞在中に台湾の大手喫茶チェーン「85度C」の店舗に立ち寄ったことで、同社製品が中国のネット上でボイコット(不買運動)を受けた際にも、中国は「台湾独立勢力への支持は決して許さない」とどう喝した。
米国は中国の覇権主義的な姿勢への反感を強めており、蔡総統への厚遇はその反映といえる。中国が台湾への圧力を強めるほど、米台間が結束するようだ。
【3位】台湾初の従軍慰安婦像、台南に設置
台南市の中心にある国民党支部の敷地に14日、台湾で初めて従軍慰安婦像が設置された。従軍慰安婦像は世界各地で反日的な団体が設置を進めてきているが、台湾は親日で知られるだけに驚きをもって受け止められた。ただ、実態は国民党による選挙を視野に入れた政治運動の側面が強いようだ。
従軍慰安婦像の設置式のもよう。国民党に対しては、一党支配時代に金門島に設置していた慰安所「軍中楽園」については見ぬふりをするのかといった批判も少なくなかった(中央社)
設置式には馬英九前総統も出席して日本に政府による正式な謝罪と賠償を求めた。日本は菅義偉官房長官が「極めて残念」と発言。報道によると、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表が呉敦義国民党主席に「適切な対応(撤去)」を求めたものの、その場で拒否されたという。
【4位】TSMCがウイルス感染、セキュリティーに関心高まる
3日午後、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の生産システムがコンピューターウイルスに感染し、中部科学工業園区(中科)など5工場での生産が停止した。台湾を代表する大企業のウイルス感染は、産業界に衝撃を与え、企業のセキュリティー対策や保険への関心が一気に高まった。
魏哲家総裁が自ら会見に挑み、不安一掃に努めた(中央社)
ウイルス感染の拡大は、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の亜種に感染した新設備を、ウイルススキャンの手順を踏まずに社内ネットワークに接続するという人為ミスが招いた。生産効率向上のため整備された工場間ネットワークがあだとなり、他工場にまで拡大。全面復旧に約3日を要した。なお、データベースや顧客情報への被害はなかった。
試算によると、感染による損失は約52億台湾元(約190億円)。生産遅延は、第4四半期に取り戻せる見通しだ。
【5位】公平会とクアルコム和解、5G商機視野に
通信用半導体大手、米クアルコムの公平交易法(独占禁止法に相当)違反をめぐる訴訟で、公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)は10日、和解が成立したと発表した。昨年10月に巨額の罰金を科した後、クアルコムと工業技術研究院(工研院、ITRI)の第5世代移動通信規格(5G)提携がストップした。このため公平会は、台湾産業界の5G商機を視野に、和解を選択したとみられる。
クアルコムに科した課徴金は234億台湾元(約850億円)から27億3,000万元に減額され、納付された。和解の条件としてクアルコムは、5G分野など今後5年で7億米ドルの台湾投資を約束した。早速24日、検査センター設置を表明した。
聯発科技(メディアテック)は、違法行為を放置したまま、和解したと強く批判した。公平会の協議の過程では、和解に反対した委員2人が辞任している。
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