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第136回 個人所得税の基本生活費免税


ニュース その他分野 作成日:2018年5月16日_記事番号:T00077065

KPMG 分かる台湾会計

第136回 個人所得税の基本生活費免税

 毎年恒例の個人所得税申告の時期になりました。既に個人所得税の申告を終えた方もいるかと思います。今回は、2017年度の申告から新しく導入された基本生活費の免税制度について説明します。

1.納税者権利保護法の施行

 台湾では、納税者の基本的生活の保護を目的とした納税者権利保護法が17年12月28日に施行されました。基本的生活に必要な費用については課税しないとするもので、基本生活費の額については、行政院が直近年度の1人当たりの可処分所得の中位数の60%で計算する(2年ごとに再検討)とされ、17年度の基本生活費は16万6,000台湾元(約61万円)と公布されました。

2.基本生活費の免税計算方法

 基本生活費(16万6,000元)に世帯人数を乗じて、申告世帯の基本生活費総額を算定します。その後、従来の基礎(扶養)控除額、標準控除額、給与所得控除額の合計と、基本生活必要費の総額とを比較して、後者が上回る場合、その差額が追加で免税になります。

3.基本生活費の差額計算例

 典型的な台湾赴任の日本人として、配偶者と扶養家族の子女2人を有するケースを考えてみましょう。基本生活必要費の総額は、66万4,000元(16万6,000元×4人)です。基礎(および扶養)控除額、標準控除額、給与所得控除額の合計は、66万元(8万8,000元×4+18万元+12万8,000元)です。この場合、従来に比べて差額の4,000元分の免税額が増加します。

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まとめ

 この計算例では差額は非常に小額ですが、さらに両親を扶養するケースでは、扶養控除額8万8,000元(70歳以上の場合は13万2,000元)と基本生活必要費16万6,000元との差額7万8,000元(70歳以上の場合は3万4,000元)の免税額が1人当たり増加しますので、メリットは小さくないと思います。17年度の申告においてご留意ください。

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