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第22回 商標類似に関する判断


ニュース 法律 作成日:2008年6月4日_記事番号:T00007883

産業時事の法律講座

第22回 商標類似に関する判断

 
 商標は会社のイメージを代表するものです。商標法の規定によると、企業が特定の商標を登録した場合、他者はそれに「相同または類似」している商標を、「相同または類似」した商品・サービスに使用すること、および登録することはできません。

 しかし、登録時または使用時を問わず、最大の問題点は、2つの商標が「類似」しているかどうかです。

 知的財産局(商標の登録申請)と裁判所(商標の侵害案件)が2つの商標が類似しているかどうかを判断する場合、従来はまず2つの商標図が類似しているかを判断し、次に商標が使用されている商品が類似しているかどうかを判断する「2ステップ」方式が採られていました。2つの段階で共に類似の判断がなされた場合、2つの商標は類似していると認定されます。

 いわゆる商標図の類似の判断材料は、主に「形状」「読み方」「意義」の3点からなります。もし2つの商標がこれら3点のうちの二点で類似していると判断された場合、通常、当該商標は類似している認定とされます。もし2つの商標が共に三つの漢字で構成され、そのうちの2つが相同している場合、当該商標の「形状」はほぼ類似していると判断されます。これまではこのような機械的な判断方法が採られてきました。

 しかし、消費者の商標識別能力の向上という時代の変化に伴って、最近、台湾の最高行政裁判所で商標の類似に関する新しい見解が示されました。

「混交」が最重要基準に

 同見解では、商標類似の判断は、2つの商標が「関連消費者に『混交』を発生させる」かどうかによるべきで、機械的な判断は行うべきではないとされました。

 「混交」とは、消費者がある商標を見た後に、もう一方の商標を思い浮かべ、両商標が代表している商品が同一の企業から提供されている、またはそれらの企業の間に出資関係や、フランチャイズ、加盟店などの特別な関係があると誤認することを指します。

 さらに、台湾最高行政裁判所は最近の判決の中で、「消費者の混交」が、商標が類似しているかどうかの最も重要な判断基準であることを明確に示しました。

 以上のことから、台湾の司法機関が商標の類似を判断する際の基準は、時代によって変化してきたことが分かります。商標登録案件または商標侵害案件に対応する場合、裁判所の最近の見解を正確に理解している必要があります。


徐宏昇弁護士事務所
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