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第28回 台中花博開幕!インスタ映えで世界に発信


ニュース 商業・サービス 作成日:2018年11月8日_記事番号:T00080293

台湾産業ココがスゴイ

第28回 台中花博開幕!インスタ映えで世界に発信

 11月3日に開幕した台中世界花卉博覧会(台中フローラ世界博覧会、台中花博)に行ってきました。花博といえば、色鮮やかな花壇を想像していたのですが、実際に目にしたのは緑と茶色ばかり?予想と期待を裏切り、また行きたいと思わせてくれた台中花博レポートをお届けします。

/date/2018/11/08/20koram_2.jpg「発見館」は45分待ちと書かれていましたが、15分ほどで入館できました。台中らしい快晴で、そこかしこで日傘の花も咲いています(YSN)

3会場の理由、タイワンヤマネコ

 メーン会場の一つ、后里馬場森林園区は実は后里馬場と森林園区に分かれています。到着したのは森林園区。もともとあった木々を残してあるので、緑豊かな公園のようで、高齢夫婦やベビーカーの赤ちゃん連れ、犬を連れている人までいて、皆ゆったり過ごしていました。

 まず入館したのは、パビリオン「発見館」。自然と人類の共存をテーマに、中部を流れる河川、大甲渓をイメージしたオタマジャクシの泳ぐ川の再現や、ダムの堰(せき)など川と人が共存してきた歴史物の展示があり、日本統治時代に台中の水利事業に貢献し「白冷圳の父」と呼ばれた磯田謙雄(いそだのりお)技師の功績も紹介されていました。

 続いて、200種類以上の台湾在来種の植物が植えられたエリアや、タイワンツキノワグマ(台湾黒熊)やタイワンヤマネコ(石虎)など絶滅の危機に瀕している台湾固有種の紹介コーナーがあります。タイワンヤマネコは剝製が展示されており、2016年の調査によると、2,140平方キロメートル内に468~699頭しか生息していないと書かれていました。

/date/2018/11/08/20koram2_2.jpgタイワンヤマネコの剝製の他、足跡やフンも展示されていました(YSN)

 タイワンヤマネコといえば、台中花博のマスコットキャラクター。台中花博の会場は当初、后里だけの予定でしたが、タイワンヤマネコの生息が確認されたため、外埔園区と豊原葫蘆墩公園に分散することを決定し、国際園芸家協会(AIPH)にA2/B1レベルの国際園芸博覧会と認定されたという経緯があります。

/date/2018/11/08/20koram9_2.jpgマスコットキャラクターのタイワンヤマネコとの写真撮影には行列ができていました(YSN)

 筆者は、インスタ映えする景色や建物、内装、展示物に皆が夢中で写真ばかり撮っていることや、花博なのに花があまり見当たらないことに疑問を感じていたのですが、台中花博には、人間を含めた台湾の生態を理解してもらう目的があるのだと実感しました。

心のシェアを呼び掛け

 午後は、細長い森林園区の一番奥にある、日本の著名建築家、隈研吾(くまけんご)氏が設計した、台湾土地開発(台開、TLDC)のインスタレーション、「三角積木概念館」を訪れました。

/date/2018/11/08/20koram7_2.jpg夕方の「三角積木概念館」。屋外にある三角の積み木を使ったテーブルやベンチで一休みできます(YSN)

 三角積木概念館は思っていたより小さく、木のぬくもりが感じられ、居心地のよい空間です。館内のテーブルの上には、三角形の積み木のおもちゃがたくさん並んでおり、大人も子供も、自由に積み上げて遊んでいました。

 そこに案内担当者(写真右)がやって来て、この三角積木概念館も同じように、三角形の積み木を積み上げて、ねじで留めて作ったのですよと説明がありました。こうした話を聞くと、シンプルな積み木で、建物を作ってしまう発想に改めて驚いてしまいます。

/date/2018/11/08/20koram5_2.jpg隈研吾氏が設計した、花蓮県のスターバックスのコンテナ再利用店舗や、「台湾の軽井沢」をうたう新竹県新埔鎮の高級住宅物件の模型も飾られていました(YSN)

 案内担当者は、どんどん写真を撮ってフェイスブック(FB)などでシェアしてくださいねと呼び掛けます。確かに映える内装や展示だけれど、また写真かとあきれそうになりましたが、よく考えると、世界中の誰もが台中まで足を運べるわけではありません。美しい花ばかりでなく、台湾を知ってもらいたいという台中花博の願いが、シェアで世界中に広がるといいですね。

/date/2018/11/08/20koram6_2.jpgフードコートは30台湾元(約110円)から200元ほどとお手ごろ。大甲が産地として有名なタロイモもありました(YSN)

 台中花博のアクセスは、台湾高速鉄路(高鉄)台中駅より徒歩3分の台湾鉄路(台鉄)新烏日駅から、▽后里馬場森林園区、后里駅▽外埔園区、大甲駅下車後バス▽豊原葫蘆墩公園、豊原駅──に向かいます。筆者は1日で森林園区しか見終わらず、暑さのためヘトヘトになりつつも、満足しました。会場間はシャトルバスなどで移動できますが、せっかくなので、どの会場に行くか狙いを定めて、ゆっくり過ごすのがお薦めです。ちなみに花を愛でたい方は、森林園区以外にどうぞ。

ワイズメディア 青木樹理

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