ニュース 運輸 作成日:2019年1月19日_記事番号:T00081609
台湾産業ココがスゴイ夕日の名所、淡水の北部を走る淡海軽軌(ライトレール、LRT)緑山線(新北市淡水区)に先週土曜、試乗してきました。市街地と淡海新市鎮(ニュータウン)を結ぶ市民の足であると同時に、観光客の利用も見込まれていますが、どんな見どころがあるのでしょうか。
住民の利用より、行楽目的で終点の崁頂駅まで試乗する人の方が多かったです(YSN)
「ここが一番景色がいい」
台北MRT(都市交通システム)淡水線の紅樹林駅で下車すると、淡海LRT緑山線の無料期間1月23日までに乗ってみようとする人人人。淡海LRT緑山線の前で人数制限をしていたので、座れるのかと思いきや、シニアや小さな子供連れも多く、前列に並ぼうとも座れる雰囲気などありません。プラットホームと車両の間に段差はなく、優先座席だったロングシート(縦座席)の隣には、ベビーカーがちょうど収まるスペースがあるなど、さまざまな配慮が感じられました。
車両内では、予想以上に大きな窓が目を引きます。特に驚いたのがドア部分も足元までガラス窓になっていること。乗客から「ここが一番景色がいい」との声が聞こえてきた、淡水河と観音山を望みながら、出発進行です。
想像以上に大きな窓。隣の車両との仕切りもなく、広々しています(YSN)
高架の紅樹林駅(V01)からさらに登りますが、乗り心地は非常に快適。両側には高層マンションが立ち並び、淡水の住民の多さを実感しました。
駅と駅の間は2分ほど、走行速度はあまり速くありません。駅に着くと、「ピーピーピー」と大きな音が鳴り、ドアに付いているボタンを押すと、ドアが開く仕組みです。
しばらくすると、緑豊かな景色が広がります。遠足気分の乗客ばかりなのでしょう。途中、90度近いカーブに差し掛かると、「ワー」と歓声が上がりました。
後半は路面電車
直後に到着した高架の淡水行政中心駅(V07)のホームからは、カルフール(家楽福)や広場などにぎやかな街並みが目に入ります。降りる人もいましたが、ひとまず終点駅まで乗ってみることに。
その後、何度も車両が停車しますが、あのピーピー音がなく、ドアも開きません。車内から「駅?」「赤信号だよ」との会話が。いつの間にか窓の外は道路と同じ高さになり、列車が赤信号で停車していたのでした。見晴らしのよい高架駅と、路面電車気分の地上駅を味わえるのも淡海LRT緑山線の魅力です。
乗車してから25分、終点の崁頂駅(V11)に到着しました。車内には下車せずに折り返す人も大勢いました。淡海ニュータウンというものの、豪華な高級マンションがある以外は、原っぱが広がり、開拓はこれからといった感じです。
無料期間終了後は、赤い簡易改札機にタッチして出場、青い簡易改札機にタッチして入場します(YSN)
ホームを出てみようとすると、あれ?改札がありません。そうです。淡海LRT緑山線は自動改札機がなく、簡易改札機に悠遊カード(イージーカード)などをタッチして入出場する仕組みです。
ジミーとお出掛け
淡海LRT緑山線のためには、台湾の人気絵本作家の幾米(ジミー・リャオ)が「閉上眼睛一下下」という絵本を描いており、その登場人物や動物のキャラクターが駅のオブジェや看板のイラストとして登場します。崁頂駅のプラットホームでも、折り返し列車を待つ人々が、競って写真を撮っていました。
各駅にはジミーのさまざまなオブジェが。紅樹林駅の外の販売コーナーで絵本などグッズが購入できます(YSN)
シニア女性2人組に声を掛けてみると、新北市鶯歌から試乗のためにやってきたとのこと。観光スポットを訊ねると、紅樹林駅まで戻って1駅乗車し、台北MRT淡水駅に行くといいわよと言われてしまいました。
折り返し列車に乗車し、途中駅から乗ってきた家族連れに聞いてみると、先ほどの淡水行政中心駅(V07)に公園があるよと。早速下車し、広い公園に足を踏み入れると、意外や意外。花畑だけでなく、ジミーのオブジェがある他、台北では出会えない広い空が感じられ、なかなか気持ちがよかったです。
右側にあるのが淡水行政中心駅(V07)です(YSN)
全長4キロの桜並木
最後に、桜の名所、滬尾桜花大道まで50メートルという淡金鄭公駅(V03)で下車してみました。ところが、幹線道路を車が行き交うばかり。人に聞きたくても人っ子一人おらず、グーグルで調べても道さえありません。
あきらめてエレベーターに乗ると、ホームの上に屋上階のボタンがあります。まさかと上がってみると、桜並木を発見。ハイキングをしていた夫婦連れが、ぐっと冷え込んだら桜が咲くよと教えてくれました。全長4キロメートル、世界最長ともいわれているようです。
もうすぐお花見シーズン。無料期間終了後を狙う人も多く、当面は混雑しそうですが、淡海LRT緑山線に乗ってみませんか。
淡海LRT緑山線に続き、藍海線も予定されています(新北市政府捷運工程局より)
ワイズメディア 青木樹理
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