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18年12月の5大ニュース


ニュース その他分野 作成日:2019年1月4日_記事番号:T00081313

月間5大ニュース

18年12月の5大ニュース

【1位】中華映管が経営破綻、台湾工場の稼働停止

 中小型液晶パネルメーカー、中華映管(CPT)は13日、中国子会社が債務返済不能に陥ったとして、会社更生手続きと資産保全の仮処分を桃園地方法院に申し立てると発表した。これにより、売掛金回収に懸念を抱いた窒素メーカーの聯華気体工業が供給を止めたため、桃園市の龍潭第6世代工場と楊梅第4.5世代工場が15日から1週間以上にわたり稼働停止に追い込まれた。

/date/2019/01/04/20cpt_2.jpg中華映管の発表に、在台日系企業の間でも衝撃が走った(中央社)

 中華映管は長年、経営の行き詰まりが伝えられていた。生産規模と技術の両面で業界競争にキャッチアップできず、スマートフォン市場の減速が追い打ちをかけた。会社更生手続き申し立ては、台湾パネルメーカーとして初めて。

 25日には従業員63人の解雇や、残業の取り消しなどを明らかにした。

 なお、資産保全の仮処分は桃園地裁に棄却されたため、同社は1月2日に抗告を行った。

【2位】淡海LRT開通、淡水の観光客も期待

 淡海軽軌鉄道(ライトレール、LRT、新北市淡水区)緑山線が23日開通した。台北都市交通システム(MRT)淡水線との乗換駅である紅樹林駅から淡海新市鎮(ニュータウン)の崁頂駅まで全11駅を結び、全長約7.3キロメートル。台湾製の車両を初採用し、大面積の窓ガラスから淡水の景色や夕日が楽しめる。

/date/2019/01/04/20lrt_2.jpg5両編成で、265人が乗車できる(新北大衆捷運リリースより)

 緑山線は24日から1カ月の試験運行期間、無料で利用できる。通常運賃は20~25台湾元(約70~87円)で、悠遊カード(イージーカード)利用なら2割引き。運行時間は午前6時から午前0時、10~15分間隔となる。

 淡海LRTは今後、MRT淡水駅から淡水漁人碼頭駅を経由する藍海線、対岸の八里駅までの延伸区間の計画がある。

【3位】裕隆集団の厳凱泰董事長死去、自社ブランドの夢半ば

 自動車大手、裕隆集団の厳凱泰(ケネス・イエン)董事長兼執行長が3日、食道がんで死去した。2009年に自社ブランド「LUXGEN(ラクスジェン)」を創設し、中台市場で販売を拡大している志半ばで、53歳と若過ぎる死を惜しむ声が相次いだ。

/date/2019/01/04/20car_2.jpg厳凱泰氏。アルマーニの大ファンで、傘下企業を台湾総代理店にしたほどだ(中央社)

 厳凱泰氏は、裕隆創業者の厳慶齢氏の養子で、米国留学後、24歳で経営に参画した。台湾ブランド車の夢を引き継いだものの、ラクスジェン販売が軌道に乗らず、水野和敏氏に開発の協力を仰ぎ、てこ入れを図っているところだった。

 死去後、妻の厳陳莉蓮氏が董事長を引き継いだ。裕隆集団は、日産自動車、三菱自動車の製造販売の他、自動車ローン、レンタカー、損害保険など自動車事業を中心に、年間売上高3,000億台湾元(約1兆円)に上る。

【4位】アフリカ豚コレラ水際対策、罰金100万元に引き上げ

 中国での豚の伝染病「アフリカ豚コレラ」感染拡大を受け、肉製品の台湾への持ち込みに対する罰金が18日、初犯で最高20万台湾元(約70万円)、再犯で最高100万元に引き上げられた。アフリカ豚コレラはヒトには感染しないものの、豚に感染した場合の致死率は非常に高く、感染が拡大すれば、畜産業だけでなく、飲食業や卸・小売業など幅広い打撃が予想される。蔡英文総統は、魯肉飯(滷肉飯、豚肉そぼろご飯)を守ろうと、防疫対策の徹底を呼び掛けた。

/date/2019/01/04/20pig_2.jpg雲林県は残飯からの感染を防ぐため、餌としての利用を禁じ、飼料購入の差額を補助する措置を取っている(中央社)

 台湾では昨年10月下旬以降、農産物廃棄ボックス、旅客の手荷物、輸入貨物から見つかった豚肉製品などからアフリカ豚コレラウイルスが検出される事例が相次いでいる。今年1月2日までに感染地域からの豚肉製品持ち込みで罰金20万元が36人に適用された他、食べ残しのチキンナゲットを不注意で持ち込もうとし、罰金3万元を科されるケースもあった。台湾入境の際は十分注意が必要だ。

 大陸委員会(陸委会)は27日、中国側に9回も状況を問い合わせたが、回答がないと明らかにした。中国に近い台湾の離島、金門県に31日に漂着した豚の死骸から検査の結果、アフリカ豚コレラ感染が確認され、警戒感が高まっている。

【5位】ウェスティン台北、惜しまれつつ閉館

 台北市中山区南京東路の五つ星ホテル、台北威斯汀六福皇宮(ザ・ウェスティン台北)が31日、閉館した。名残を惜しむ常連客の予約が相次ぎ、最終日は客室稼働率が90%を超えた。閉館パーティーには、オープン当時に台北市長だった馬英九前総統をはじめ、常連客など約200人が集まった。

/date/2019/01/04/20hotel_2.jpg今後、貸主の国泰人寿保険(キャセイ・ライフ・インシュアランス)​が設備を更新して、テナントを誘致する(中央社)

 台湾で初めて「ウェスティン」ブランドを冠した五つ星ホテルとして1999年に開業し、欧米や日本からの観光客やビジネスパーソンにもよく利用された。運営の六福旅遊集団(レオフー・ツーリズム・グループ)は昨年4月、賃料高騰に対応できず、賃貸契約を更新できないと説明していた。中国人観光客の減少やホテル出店ラッシュで競争が激化し、過去3年は赤字だったとみられている。

 閉館に伴い、従業員500人余りのうち、72人は別のブランドに異動し、303人が解雇された。

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