ニュース その他分野 作成日:2019年6月5日_記事番号:T00083921
KPMG 分かる台湾会計「外国税額控除」は、台湾法人が海外で支払った税金を、台湾の営利事業所得税(法人税)から控除できる制度です。今回は、外国税額控除と租税協定との関係での留意点を説明します。
1.外国税額控除と租税協定
台湾法人は、台湾源泉所得と海外源泉所得を合算した全所得に対して、台湾で営利事業所得税を納付する必要があります。ただし、既に海外で外国法人税を納付している場合、当該海外源泉所得に台湾の税率を乗じた税額を限度として、外国法人税額を台湾の営利事業所得税から控除できるのが外国税額控除です。
一方、台湾と租税協定を結んでいる国との取引では、一定の条件を満たす海外源泉所得について、租税協定対象国で免税や軽減税率の適用が可能です。租税協定が適用できる状況で租税協定を適用せず、納める必要がなかった海外源泉所得に対する税金を納付した場合は、外国税額控除の対象とならず、台湾の営利事業所得税から控除することはできません。
2.台北国税局の説明
台湾法人A社は、インドネシア法人B社から1,500万台湾元相当のコミッション収入を得て、このコミッションに対してインドネシアで300万元相当の源泉所得税を徴収されました。このコミッションは、A社のインドネシアでのサービス提供、労働、活動による報酬で、台湾・インドネシア租税協定で規定される免税適用可能な事業所得に該当しました。このため、A社はインドネシアで、租税協定適用により課税免除と源泉徴収税額300万元の還付を申請することができます。
一方で、当該年度の台湾での営利事業所得税の申告では、このインドネシアでの源泉所得税額は外国税額控除の対象にならず、台湾の営利事業所得税からの控除はできません。
3.まとめ
租税協定の適用で減免することのできる外国税額は、台湾で外国税額控除の対象にならないため、租税協定を適切に適用しなければ二重課税になる恐れがあります。租税協定が適用できない取引について租税協定対象国で外国税額を納付した場合には、台湾での外国税額控除のために、租税協定の適用対象ではないことを説明できるよう、準備されることをお勧めいたします。
本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。
KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
Mail: kojitomono@kpmg.com.tw
TEL: 886-2-8101-6666
友野浩司(内線06195)
横塚正樹(内線16991)
須磨亮介(内線17640)
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722