ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

第160回 賞与の損金算入


ニュース その他分野 作成日:2019年6月19日_記事番号:T00084156

KPMG 分かる台湾会計

第160回 賞与の損金算入

台湾法人においても、事業年度終了後に業績に応じて従業員に賞与を支給するケースが多いと思います。今回は、未払賞与に関する税務上の損金算入要件および計上年度について説明いたします。

1.賞与の損金算入タイミング

 台湾では事前に金額が決定されており、業績に関わらず支給される報酬については、期末後の支給であっても当年度の税務上の損金算入が認められます。そのため、賞与の支給額が会社定款で明記されている場合や、株主総会等において事前に決議された場合、または会社と従業員が賞与の支給および支給基準について事前に合意している場合には、期末に未払いであっても期末時点で会社に支給義務が生じているため、当期に未払賞与として損金計上することができます。一方、翌年度に支給が決定される場合には、期末時点においては賞与の支給義務がないため、支給が行われる翌年度に損金算入する必要があります。

/date/2019/06/19/20_2.jpg

2.北区国税局の指摘事例

 A社は、ある年の営利事業所得税確定申告において、申告対象年度の良好な経営成績に応じて多額の業績賞与を未払計上し、損金計上していました。その後の国税局による税務調査において、当該業績賞与は期末時において支給予定であるものの、会社定款での明記および株主総会での事前決議がともになく、また従業員と賞与の支給および支給基準の事前の合意もしていないことを指摘されました。

 国税局はこの業績賞与について、決算期末において支払義務が確定していないと判断し、当該業績賞与を損金不算入とするとともに税金の追徴を行いました。

3.まとめ

 期末の未払賞与を損金算入する場合には、事前に損金算入要件を満たしているか確認する必要があります。なお、日本では、未払賞与の損金算入は、支給額の個人別通知および決算日後1カ月内の支給等の要件が必要になりますが、台湾では、支給額自体は確定している必要がありますが、日本のように支給額の個人別通知までは要求されていません。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
日本業務組
Mail: kojitomono@kpmg.com.tw
TEL: 886-2-8101-6666
友野浩司(内線06195)
横塚正樹(内線16991)
須磨亮介(内線17640)

KPMG 分かる台湾会計