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第165回 みなし利益率の適用とロイヤリティー


ニュース その他分野 作成日:2019年9月4日_記事番号:T00085571

KPMG 分かる台湾会計

第165回 みなし利益率の適用とロイヤリティー

 営利事業所得税法第25条では、外国企業が台湾企業に一定のサービスを提供した際に、財政部の許可を得ることによりみなし利益率を適用して台湾源泉所得を計算することが可能です。今回は、みなし利益率の適用申請とロイヤリティーとの関係を説明いたします。

1.みなし利益率の適用申請

 台湾企業が、台湾に支店などの固定営業場所がない外国企業からサービスを受け、その料金を送金するには、外国企業の台湾源泉所得に対して20%の源泉徴収を行う必要があります。この際、所得が工事請負や技術サービス提供、機械設備などのリースによるもので、かつ原価費用の配賦計算が困難な場合には、営業収入の15%を利益(課税所得)と見なして申請をすることができます。申請が許可された場合、源泉税率は「収入×15%×20%(源泉税率)」、つまり収入の3%となります。

2.みなし利益率申請対象契約に含まれるロイヤリティー

 技術サービスについてみなし利益率の適用申請をする際、契約にロイヤリティー相当額が含まれる場合は注意が必要です。例えば、日本の親会社から受けたIT(情報技術)関連サービス契約に対してみなし利益率の適用申請をする際、そのサービスの対価にソフトウエアなどの権利の使用許諾が含まれている場合には、当該部分はみなし利益率適用の対象外になります。

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 税法上でのロイヤリティーの範囲は、特許権、商標権、著作権、ノウハウ、ソフトウエアなどの無形資産の使用許諾によるもので、労務を提供せずに利用者から対価を取得するものとされています。一方、技術サービスは、既存の無形資産の使用許諾により対価を取得するものではなく、人員による専門技術の提供により対価を取得するものとされています。

 みなし利益率の適用申請対象契約にロイヤリティー相当額が含まれる場合、ロイヤリティーはみなし利益率の対象ではないので、技術サービス部分とロイヤリティー部分を明確に区分し申請する必要があります。

3.まとめ

 技術サービスの報酬に対してみなし利益率の適用申請する場合には、契約書上、ロイヤリティー部分と技術サービス部分の報酬を明確にしておくことをお勧めします。なお、日台間では、ロイヤリティー部分について別途、源泉税率を20%から10%とする日台租税協定の適用を申請することが可能です。

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