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第166回 給与の源泉徴収


ニュース その他分野 作成日:2019年9月18日_記事番号:T00085812

KPMG 分かる台湾会計

第166回 給与の源泉徴収

 台湾法人が従業員に給与を支給する際には、所得税の源泉徴収が必要になります。今回は、特に日本人を含む外国人従業員に給与を支払う際の所得税源泉徴収の注意点について説明いたします。

1.給与に対する源泉徴収

 台湾法人が従業員に給与を支給する際には、所得税を源泉徴収する必要がありますが、特に従業員が外国人の場合には、従業員が「居住者」または「非居住者」のいずれに該当するかを判定した上で、源泉徴収・申告を行う必要があります。

 外国人従業員の居住者・非居住者の判定は、暦年における台湾滞在日数が183日に達するか否かにより行われます。滞在日数が183日未満となる場合、非居住者に該当し、原則18%の源泉税率により源泉税を差し引き、源泉税差引日から10日以内に源泉税を納付する必要があります。

 一方、ビザまたは居留証の居留期間等に基づき、暦年の滞在日数が183日以上と判断される場合には、居住者に該当し、5%または居住者向けの給与所得の源泉徴収税額表に基づいて源泉税を徴収し、支払い月の翌月10日までに納付する必要があります。

 なお、当初居住者と判断された従業員が、当初の予定より早期に帰国するなど非居住者と判断される場合には、非居住者向けの源泉税率に基づき源泉税額を計算し、徴収済みの源泉税額との差額を追徴する必要があります。

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2.台北国税局の説明

 A社の外国人従業員Bは、×1年3月1日に台湾へ入国しました。その居留証によると、当該年度における居留期間は250日と見込まれます。A社は従業員Bを居住者とみなし、居住者向けの源泉税率に基づき源泉税の徴収を行うことができます。ただし、従業員Bが予定より早期に離職帰国し、暦年での台湾居留期間が183日未満と見込まれる場合には、非居住者向けの源泉税率に基づき計算された源泉税額と、徴収済みの源泉税額との差額を追徴する必要があります。

 別の外国籍従業員Cは、×1年10月1日に台湾に入国しました。その居留証に記載されている居留期間は350日となっていますが、×1年の暦年における台湾国内での居留期間は183日未満になるため、×1年は非居住者向けの源泉税率に基づき源泉税額を計算する必要があります。×2年については、従業員Cの台湾居留日数は183日に達すると見込まれるため、居住者向けの源泉税率に基づき源泉税の徴収を行うことができます。

3.まとめ

 「居住者」向けの源泉税額で徴収していたが、予定より早めに帰国する等「居住者」に該当しなくなる場合には、「非居住者」向けの源泉税額と差額を追徴し、申告する必要がありますのでご留意ください。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

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