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第161回 食事手当の取り扱い


ニュース その他分野 作成日:2019年7月3日_記事番号:T00084416

KPMG 分かる台湾会計

第161回 食事手当の取り扱い

 台湾でも、従業員に食事を支給する、または金銭で食事代を支給することがあると思います。今回はこうした食事手当に関する税務上の取り扱いについて説明いたします。

1.食事手当の取り扱い

 会社が従業員に実際の食事または食事代を食事手当として支給する場合、1人当たり毎月2,400台湾元以内を限度として、従業員の給与所得とすることなく、会社の営利事業所得税(法人税)の計算で損金算入することが可能です。

 一方、毎月2,400元を超過した部分を損金算入するには、従業員の給与所得に振り替える必要があります。振り替えのない場合は、損金算入できません。

 なお、この限度額と比較する食事手当は、実物支給の食事代および金銭で支給した食費代の合計額です。

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2.北区国税局の説明

 A社はある年度に従業員数100人に食事を提供し、その費用として300万元を計上しました。また、残業時の食事代として金銭で支給した60万元を費用計上しました。

 給与所得にせず、損金算入可能な食事手当の限度額は、年間で288万元(=100人×2,400元×12カ月)です。従って、限度額を72万元(=300万元+60万元-288万元)超過しています。

 A社はこの超過分を従業員の給与所得に算入していないため、超過額72万元はA社の営利事業所得税申告上、損金不算入となります。ただし、従業員給与所得へ振り替える場合、損金算入することができます。

3.まとめ

 食事手当の損金算入限度額の計算では、金銭で支給する食費の他、実際に支給する食事の費用が含まれます。日本の税法のように残業時の食事の支給であるか否かは考慮されません。また、損金算入限度額を超過して従業員の給与所得に振り替える部分については、一般の給与支給時と同様に、源泉徴収が必要になりますのでご留意ください。

 本稿に関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。

KPMG安侯建業聯合会計師事務所
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