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第41回 台湾おせちも手軽に充実、冷凍食品のヤミードッツ


ニュース 食品 作成日:2019年12月23日_記事番号:T00087561

台湾産業ココがスゴイ

第41回 台湾おせちも手軽に充実、冷凍食品のヤミードッツ

 春節(旧正月、2020年は1月25日)が近づいてきました。除夕(大みそか)の夜に家族が集って食べる年菜(年越し料理)として、台湾人の友人に薦められたのが、冷凍食品ブランドの亨点子(ヤミードッツ)。日本に帰省するから年菜を食べる機会が少ないという方も、一足早く味わってみてはいかがでしょうか。

/date/2019/12/23/20chikin_2.jpgじっくり煮込んだチキンスープ(欣光食品提供)

一流ホテル出身シェフが監修

 1年を通じて家庭用冷凍食品を提供しているヤミードッツですが、前年の春節明けから開発した年菜は、春節前のシーズン限定で販売しています。高級ホテル出身の陳啓文(ケビン)専属シェフがメニューを考案、総統にも提供した経歴がある曽秀保シェフが技術提供し、毎年メニューにアレンジを加えています。

 ヤミードッツをブランド展開する欣光食品の詹金和総経理に今年のお薦めを尋ねると、まず挙がったのが老菜脯蛤蠣鶏湯(チキンスープ)。親会社の大成集団の鶏肉など安心できる厳選食材を使用し、まずスープを8時間、10年ものの老菜脯(切り干し大根)を詰めた鶏肉を加えて2時間煮込み、化学調味料・防腐剤無添加で作り上げた自信作。2,600グラム入り699台湾元(約2,500円)です。

 続いて、日本でぶっとびスープとも呼ばれる金龍仏跳牆。ホタテやエビなど十種類以上の食材が入っています。「金龍」と付いているのは、台北市中山区の浜江市場の55年の老舗「金龍号」からレシピと技術の提供を受け、その味を再現したから。金龍号のお店で売っていたのは700~800個ほどでしたが、ヤミードッツの商品化により台湾中で買えるようになり、今や年1万5,000個売れる人気メニューとなりました。

/date/2019/12/23/20soup_2.jpg金龍仏跳牆とエビの紹興酒漬け(欣光食品提供)

 この他、▽解凍するだけで食べられる冰醸紹興酔蝦(エビの紹興酒漬け)▽今年は刈包(グアパオ、マントウ)付き、4時間煮込んだ秘製紅麹東坡肉(トンポーロー)▽蘋果日報の年菜ランキングでグランプリに選ばれた実績がある蔵書燉羊肉(蘇州の山羊料理)▽デザートの香芋椰汁紫米露(紫米入りココナツミルク汁粉)──などなど今年のラインアップは全17種類。

/date/2019/12/23/20shrimp_2.jpg詹総経理が自ら撮影、今年の新メニュー、エビの紹興酒漬け

 家庭で年越しに食卓に並べる年菜は通常10種類ほどですが、全て手作りするのは大変。そこで、ヤミードッツの商品を追加したり、実家にも同じものをプレゼントするために購入する人が多いそう。全く料理できない、したくない方は、ヤミードッツの5~6種類入りセットを購入すれば、フルコースが食べられます。

 もっと食べたい、やっぱり自分で作ってみたいという人向けに、ヤミードッツは大盤振る舞い、ケビンシェフ自らが作り方をYouTube(ユーチューブ)で大公開しています。詹総経理も食材を準備して、タブレット端末を見ながら自宅で作っているそうです。

金龍仏跳牆の作り方
https://www.youtube.com/watch?v=xrp77z5y4Ao

別入りパックがおいしさの秘訣

 ヤミードッツの年菜は、ご飯、鶏肉、ソースなどが加熱時間によって複数のパックに分かれているのがおいしさの秘訣(ひけつ)。解凍後、湯煎にかけたり、電子レンジや電鍋で加熱して、お皿に盛り付けていただきます。

 以前は冷凍食品の年菜なんておいしくないと言われていましたが、欣光食品はもともと中華料理の受託生産大手メーカー。2013年に自社ブランドのヤミードッツを創設し、年菜に参入した当初より、味にこだわり、別入りで販売したところ大当たり。年菜の台湾市場規模は20億元で、うちレストラン10億元、冷凍食品10億元ほどですが、ヤミードッツは1億元を売り上げているそうです。

 そんなヤミードッツの一番の人気商品は年菜ではなく、なんと牛肉麺。インターネット通信販売で消費者が購入している他、レストランなどに卸しており、月に15万~20万パック売れているとか。

 「代工(受託生産)だから顧客の名前は明かせないんだ」と詹総経理。ただ、大手カラオケボックス(KTV)や大手レストラン、コンビニエンスストアなどに卸しており、カフェのメニューに牛肉麺があれば、きっと同社の商品だよと話していました。

世界に食文化を伝えたい

 詹総経理の夢は「老菜復興」。台湾には戦後、中国各地から料理人が移住し、さまざまな中華料理が味わえるけれども、高齢化でその技術が消えゆきつつあります。ヤミードッツがそれらを引き継ぎ、世界中に中華料理のおいしさ、食文化を伝えたいんだと語ってくれました。

/date/2019/12/23/20dan_2.jpg亨点子のブランド名は美食のアイデア(点子)を楽しんでほしい(亨受)という思いが込められています(YSN)

 ヤミードッツの商品は、大成集団の鶏肉や豚肉などを使っており、トレーサビリティー(履歴管理)で履歴が分かる上、化学調味料・防腐剤無添加で安全、安心、ぜひ日本にも輸出していきたいとも願っています。台湾に住んでいる日本人の皆さんも口にすれば、冷凍食品なのにこんなにおいしいのかと驚くこと間違いなしとのこと、ぜひお試しください。

ワイズメディア 青木樹理

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