ニュース その他分野 作成日:2020年2月19日_記事番号:T00088379
KPMG 分かる台湾会計台湾の会社法では、毎期決算後に税引後当期純利益の10%を法定利益準備金として積み立てることが必要です。経済部の新しい通達により、この積立金額の計上基礎が改正されました。今回はこの改正のポイントについて説明します。
1.従来の法定利益準備金の積立
会社財産の保全、債権者の権利保護を目的として、毎期の決算後、一切の税金を完納した後に利益の残額がある場合、すなわち税引後当期純利益が計上される場合には、まず税引後当期純利益の最低10%の利益準備金の積み立てが必要です。積み立ては利益準備金の残高が払込資本額と同額になるまで毎期行う必要があります。
2.今回の改正ポイント
2020年1月に公布された経済部の新しい通達では、従来から計上基礎とされていた税引後当期純利益だけでなく、「当年度未処分利益剰余金に組み入れた税引後当期純利益以外の項目の金額」も計上基礎に含めることとされました。
具体的には例えば、旧制度退職金関連の正味確定給付債務再評価額について、発生した期に全額をその他包括利益に計上し、利益剰余金に組み入れる会計方針を採用している場合が該当します。
この計上基礎の変更は19年度財務諸表の利益処分から適用されますが、20年度財務諸表の利益処分からに延期が可能です。
税引後当期純利益1,000(A)および旧制度退職金関連の正味確定給付債務再評価額500(B)として利益準備金の要積立額を従来の規定と改正後の規定で計算すると次の通りです(上限未達の前提)。
3.まとめ
計上基礎の改正により、利益準備金の要積立額が従来よりも増加または減少する可能性がありますので注意が必要です。各社では影響額の試算を行うと共に、適用開始年度の延期の要否の検討が必要になると考えられます。
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